第一回 学習者コーパス・ワークショップ ―学習者コーパス(I-JAS)を利用するために―

プロジェクト名・リーダー名
「日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明」 (略称 : 学習者のコミュニケーション)
リーダー : 石黒 圭 (国立国語研究所 日本語教育研究領域 教授)

科研費 基盤研究A
海外連携による日本語学習者コーパスの構築および言語習得と教育への応用研究
代表者 : 迫田 久美子 (国立国語研究所 日本語教育研究領域 客員教員)
開催期日
平成28年12月3日 (土) 10:30~17:30
開催場所
国立国語研究所 講堂・多目的室 (東京都立川市緑町10-2)
交通案内

概要

国立国語研究所では,今年5月、多言語母語の日本語学習者横断コーパス (I-JAS: International Corpus of Japanese as a Second Language) の第一次公開をいたしました。異なる母語12言語の海外の日本語学習者各15名,国内の自然環境と教室環境の学習者各15名ずつ,合計210名の学習者に日本語母語話者15名を加え,225名分のデータです。

そこで,2016年12月3日 (土),国立国語研究所において,第一回学習者コーパス・ワークショップとして,第一部はシンポジウム,第二部はI-JASの講習会を開催いたします。 第一部では,神戸大学の石川慎一郎先生を迎え,英語教育におけるコーパス研究の潮流を伺い,その後,具体的に I-JAS を使った研究実例2件を紹介します。

第二部では,I-JAS を利用して研究するために,コーパスの概要を示し,数量を中心とした量的研究,データ内容を中心とした質的研究に役立つ活用術のワークショップを行います。

プログラム

10:30 開会

10:40~14:45 第一部

10:40講演 : 「世界の英語学習者コーパス研究の潮流 : How から Why へ」石川 慎一郎 (神戸大学)

ベルギーのルーバンカトリック大学において世界初の大型学習者コーパス ICLE が開発されてから20年以上が経過し,英語学習者コーパス研究は,名実ともに充実期に入ってきたと言える。その過程において,学習者データの収集の方法や,学習者データの分析手法についても精緻化が進んできた。これまでの研究で,L2学習者が「どのように」 (how) 目標言語を使用するのかという表層レベルの問題はほぼ明らかになってきたと言ってよい。一方,いまだ残されているのは,L2学習者が「なぜ」 (why) そのように目標言語を使用するのかという原因メカニズムの解明である。第2言語習得論 (SLA) などとも連携を深めつつ,実証データから理論モデルの構築に向かうことが学習者コーパス研究の次の20年間の課題となるだろう。講演では,学習者コーパス研究のこれまでの知見を整理し,今後の展望を示す。

12:10~13:10昼休憩

13:10「I-JAS における語彙の分析から見えること」小西 円 (国立国語研究所)

多言語母語の日本語学習者横断コーパス (I-JAS) は,日本語学習者を対象に世界や日本の各地で行われた調査のデータを収録したコーパスであり,比較対象として母語話者のデータも備えている。調査では,絵を見て話すタスクであるストーリーテリング,アルバイト役が店長役に依頼をするロールプレイや断りをするロールプレイなど,様々なタスクが実施されている。タスクが異なれば,産出される言語にも違った特徴が現れるはずである。本発表では,語彙という観点から,タスク同士の比較,母語話者と学習者の比較を行い,学習者が産出する言語の特徴について述べる。

14:00「『書く』と『話す』に見られるバリエーションには何が起因しているのか?」奥野 由紀子 (首都大学東京)

本発表では,多言語母語の日本語学習者横断コーパス (I-JAS) の一部であるストーリー描写課題を取り上げ,「話す」場合と「書く」場合のデータに違いが見られるか,どのような違いが見られるのか,なぜそのような違いが見られるのかについて考える。
日本語能力に差のない尼語,英語,泰語,中国語,独語を母語とする5か国の学習者15名ずつ計75名を抽出して分析した結果,「書く」課題で「話す」課題よりも複雑なパターンになるケースが多いものの,変化がないケースもほぼ同数存在すること,また,複雑な形式になり正確さが落ちる場合があること,正確さが高まるが単純な形式になる場合もあることなどが見えてきた。これらの事例を通し,「書く」と「話す」に見られるバリエーションには学習者の様々な知識レベルが関与している可能性を指摘する。

14:45~15:00 休憩

15:00~17:20 第二部 ワークショップ (定員40名)

各自持参したPCを使って作業

  • I-JAS の概要
    細井 陽子 (国立国語研究所)
  • 量的分析のために
    佐々木 藍子 (国立国語研究所)
  • 質的分析のために
    迫田 久美子 (国立国語研究所)

17:20~17:30 閉会

第二部 ワークショップについて

定員に達したため,申し込みを締め切りました。
第二回 (来年春予定) 学習者コーパス・ワークショップのご参加をお待ちいたします。

  • 定員40名 (先着順)
  • 参加申し込みが必要 (第二部のみ,第一部は参加申し込み不要)
  • 10月17日から参加申し込み受付開始
  • 各自PC持参のうえ参加
  • 当日までに『中納言』のユーザー登録,I-JAS の利用申請が必要

    I-JAS の利用には,① 国立国語研究所が作成しているコーパス検索アプリケーション『中納言』のユーザー登録と ② I-JAS の利用申請の2点が必要です。

    • 『中納言』のアカウントをお持ちでない方
      『中納言』の新規ユーザ登録申請画面からユーザー登録を行い,I-JAS の利用申請を行ってください。
    • 『中納言』のアカウントをお持ちで,I-JAS の利用申請がお済みでない方
      『中納言」のログイン画面からログインしていただき,コーパス選択画面より,I-JAS の利用申請を行ってください。
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