迫田 久美子

氏名:迫田 久美子 (SAKODA Kumiko)
ふりがな:さこだ くみこ
E-mail:sakodak[at]ninjal.ac.jp
所属:日本語教育研究・情報センター
職名:教授

個人プロフィール

「先生,どうして『電話中』というのに『結婚中』と言えないのですか」など,学習者から多くの質問を浴び,日本語の知識の無さに危機感を覚え,日本語教師を辞めて大学院に入りました。若い院生に囲まれて,教える立場から学ぶ立場になって味わった新鮮な驚きは今でも忘れられません。ノーベル賞を受賞した朝永振一郎は「不思議だと思うこと,これが科学の芽です。よく観察して確かめ,そして考えること,これが科学の茎です。そうして最後に謎が解ける,これが科学の花です。」と言っています。30年近く教えた学習者達からもらった研究の種,いつか,花を咲かせたいと思っています。

略歴

昭和59年4月広島大学教育学部日本語担当非常勤講師(~平成2年3月)
平成3年4月広島修道大学日本語担当非常勤講師(~現在)
平成4年3月広島大学大学院教育学研究科修士課程日本語教育学専攻修了(修士(教育学))
平成8年1月広島大学大学院教育学研究科博士課程後期日本語教育学専攻修了(博士(教育学))
平成10年4月広島大学教育学部講師(~平成10年3月)
平成15年4月広島大学大学院教育学研究科教授 (~平成24年3月)
平成24年4月人間文化研究機構国立国語研究所教授・センター長 (~平成27年3月)
平成27年4月人間文化研究機構国立国語研究所教授

大学等での非常勤講師・集中講義・客員教授歴

集中講義

山口大学,岡山大学,鳴門教育大学,神戸大学,大阪府立大学,九州大学,早稲田大学,沖縄商科大学,広島大学,東北大学,首都大学東京,台湾大学,北京日本学研究センター

非常勤講師

比治山女子短期大学,福山大学,広島修道大学,広島大学留学生センター,日本言語学会夏期セミナー

客員研究員

University of California Santa Barbara,Oxford University Oriental Institute

学位

学士 (文学),修士 (教育学),博士 (教育学)

専門分野

日本語教育学,第二言語習得研究,日本語の習得,学習者コーパス,誤用分析,学習ストラテジー,言語処理,日本語教授法,シャドーイング,日本語のプロフィシェンシー

研究テーマ

「風邪をひいたんですから,休みました。」「素敵な人が現れたら,あの人と結婚したい」など,日本語学習者はさまざまな誤用を産出します。このような誤用の原因を含め,日本語の習得過程にかかわる疑問や課題を客観的に明らかにすること,その成果を教育に生かすことが研究テーマです。前者では,指示詞コ・ソ・ア,助詞ニ・デ,否定辞ジャナイの誤用の原因となる学習者の言語処理ストラテジーについて研究しました。後者では,インプットとアウトプットを強化するためのシャドーイング (聞こえてくるスピーチをほぼ同時に口頭再生する訓練法) の研究を行っています。

現在は,学習者の言語環境と日本語の習得過程というテーマを掲げ,学習者のデータを分析しながら,第二言語習得の普遍的・個別的側面を明らかにしたいと考えています。

所属学会 ・学会での役割

所属学会

日本語教育学会,国立大学日本語教育協議会,日本言語学会,第二言語習得研究会,日本教育心理学会

学会での役割

第二言語習得研究会 (編集委員長 : 2002-2004,大会委員 : 2006-2008),日本語教育学会 (評議委員 : 1999-2005,副会長 : 2005-2011,学会誌委員長 : 2005-2007,国際連携委員長 : 2011-2015),国立大学日本語教育研究協議会 (理事 : 2005-2009)

受賞歴

2003年5月日本語教育学会奨励賞

主要業績(論文・単著等)

下段は,最近5カ年の業績を記入しています。

1994年 On the Acquisition of Japanese Demonstratives by Korean Speakers. Japanese/Korean Linguistics, vol.4, 1994
1998年 『中間言語研究 ―日本語学習者による指示詞コ・ソ・アの習得―』 (渓水社 1998年)
2001年 『日本語学習者の文法習得』 (野田尚史・迫田久美子・渋谷勝己・小林典子共著 大修館書店 2001年)
2002年 『日本語教育に生かす第二言語習得研究』 (アルク 2002年)
2006年『講座 日本語教育学 第3巻 言語学習の心理』 (迫田久美子編著 スリーエーネットワーク 2006年)
2008年 「プロフィシェンシーを支える学習者の誤用 ―誤用の背景から教え方へ―」『プロフィシェンシーを育てる ―真の日本語能力を求めて―』 (鎌田修・嶋田和子・迫田久美子編 凡人社 2008年)
2009年 「第二言語習得研究におけるリサーチデザインとプロフィシェンシー」『プロフィシェンシーと日本語教育』 (鎌田修・堤良一・山内博之編 ひつじ書房 2009年)
2012年 「非母語話者の日本語コミュニケーションの工夫」『日本語教育のためのコミュニケーション研究』 (野田尚史編 くろしお出版 2012年)

競争的研究費取得状況

平成9年度研究成果公開促進費により博士論文の出版『日本語の中間言語研究―日本語学習者における指示詞コ・ソ・アの習得研究』 (渓水社)
平成9~12年度 文部科学省科学研究費補助金基盤研究 (C) 「日本語学習者の習得過程と言語環境に関する研究」
平成15~17年度 文部科学省科学研究費補助金基盤研究 (C) 「日本語学習者の習得過程に基づく評価と指導の研究」
平成18~20年度 文部科学省科学研究費補助金基盤研究 (C) 「第二言語習得研究に基づいた運用力養成のためのシャドーイングの研究」
平成21~23年度 文部科学省科学研究費補助金基盤研究 (B) 海外学術調査研究「海外日本語学習者への運用力養成のためのシャドーイング研究 ―「できる」への実践―」
平成24~27年度 文部科学省科学研究費補助金基盤研究 (A) 海外学術調査研究「海外連携による日本語学習者コーパスの構築 ―研究と構築の有機的な繋がりに基づいて―」