著書紹介 平成27年度 (2015年度)

太字 : 発行時の在籍者

はじめて学ぶ方言学 ことばの多様性をとらえる28章

書影

井上 史雄木部 暢子 (編著)

ミネルヴァ書房 (詳細ページ),2016年3月31日,ISBN 9784623075201

東北弁,関西弁,九州弁等々,日本の「方言」は実に多様でそれぞれの持つイメージや味わいも独特である。本書はこの豊饒な「方言」の世界を見渡し,さまざまな角度からとらえ,理解を深めるための入門書。概説書としての役割はもちろん,英語や中国語とのちがいや共通点などにも触れ,方言の新たな見方を提示するとともに,観光や医療現場での方言の現在についても考えるバラエティに富む一冊。

講座 日本語コーパス 5コーパスと日本語教育

書影

前川 喜久雄 (監修)

砂川 有里子 (編)

滝沢 直宏,千葉 庄寿,投野 由紀夫,本田 ゆかり,山内 博之,橋本 直幸,小林 ミナ,小西 円砂川 有里子,清水 由貴子,奥川 育子,曹 大峰,井上 優,仁科 喜久子,阿辺川 武,ホドシチェク ボル,イレーナ スルダノヴィッチ (著)

朝倉書店 (詳細ページ),2016年3月25日,ISBN 9784254516050

BCCWJ研究日本語教育班による,日本語教育へのコーパス活用研究の成果を紹介。
〔内容〕検索の方法 / 教育語彙表 / 類義表現分析 / 日本語教科書分析 / 作文支援 / コーパス検索 / 正規表現とコーパス / 他のコーパスとの比較。

SP盤演説レコードがひらく日本語研究

書影

相澤 正夫,金澤 裕之 (編)

笠間書院 (詳細ページ),2016年3月10日,ISBN 9784305707956

日本最古のまとまった音源である大正~昭和戦前期のSPレコード音声とその文字化資料を対象に,方言を中心とする音声研究,変異理論や談話分析に基づく社会言語学的研究,文法・語彙を中心とする近世・近代語研究,話し言葉・書き言葉のコーパス言語学的研究など,多様な背景をもつ12人の日本語研究者が新たな研究の可能性を探索した論文集です。国立国語研究所の共同研究プロジェクト「多角的アプローチによる現代日本語の動態の解明」 (基幹型,リーダー : 相澤正夫) の成果物として刊行しました。

Brill's Studies in South and Southwest Asian Languages 7
A Functional Account of Marathi's Voice Phenomena: Passives and Causatives in Marathi

書影

プラシャント・パルデシ (著)

Brill (詳細ページ),2016年2月,ISBN 9789004292512

オランダ Brill 社から出版された本書はマラーティー語における顕著なヴォイス表現である受身と使役表現の統語的・意味的特徴を包括的に記述・分析した研究書である。マラーティー語の受身と使役表現の統語及び意味・語用論的な諸側面に関しては,限られた先行研究が貴重な示唆を提示しているものの,断片的なものであり,包括的な記述・分析は未だに提供されてない。この研究の空白を補うため,本書は機能類型論 (functional-typology) のフレイムワークを援用し,マラーティー語の受身と使役表現の統語・意味・語用論的な諸側面の包括的な記述・分析を提供する。同時に,本書は今まで言語の壁により参照困難であったマラーティー語の伝統文法の優れた研究成果をも紹介する。

シリーズ日本語史 1 音韻史

書影

高山 倫明,木部 暢子,松森 晶子,早田 輝洋,前田 広幸 (著)

岩波書店 (詳細ページ),2016年1月27日,ISBN 9784000281270

日本語・外国語で書かれた文献資料のみならず,方言や伝統芸能・口承文芸など,あらゆる手がかりを駆使して,言語音の時間的変化とそのメカニズムを解明する音韻史研究.音声学・音韻論と文献学の基礎から説き起こし,音韻史・アクセント史の研究成果を紹介すると同時に,言語類型論・生成音韻論・最適性理論による接近法を解説する。

Handbooks of Japanese Language and Linguistics 3
Handbook of Japanese Lexicon and Word Formation

書影

影山 太郎岸本 秀樹 (編)
柴谷 方良影山 太郎 (シリーズ編)

De Gruyter Mouton (詳細ページ),2016年1月,ISBN 9781614512752

This volume presents a comprehensive survey of the lexicon and word formation processes in contemporary Japanese, with particular emphasis on their typologically characteristic features and their interactions with syntax and semantics. Through contacts with a variety of languages over more than two thousand years of history, Japanese has developed a complex vocabulary system that is composed of four lexical strata: (i) native Japanese, (ii) mimetic, (iii) Sino-Japanese, and (iv) foreign (especially English). This hybrid composition of the lexicon, coupled with the agglutinative character of the language by which morphology is closely associated with syntax, gives rise to theoretically intriguing interactions with word formation processes that are not easily found with inflectional, isolate, or polysynthetic types of languages.

Handbooks of Japanese Language and Linguistics 10
Handbook of Japanese Applied Linguistics

書影

南 雅彦 (編)
柴谷 方良影山 太郎 (シリーズ編)

De Gruyter Mouton (詳細ページ),2016年1月,ISBN 9781614512455

Applied linguistics is the best single label to represent a wide range of contemporary research at the intersection of linguistics, anthropology, psychology, and sociology, to name a few. The Handbook of Japanese Applied Linguistics reflects crosscurrents in applied linguistics, an ever-developing branch/discipline of linguistics. Covering a wide range of current issues in an in-depth, comprehensive manner, the book will be useful for researchers as well as graduate students who are interested in Japanese linguistics in general, and applied linguistics in particular.

日本語・マラーティー語 基本動詞辞典 (改訂版)

書影

プラシャント・パルデシ,桐生 和幸,ダムレ ハリ,アシザワ ミーナ (編)

Rajhans Prakashan,2015年12月19日,ISBN 9788174349323

この辞典はインドの日本語教育において初めての学習者向けの本格的な辞典であり,プネー市で現在使われている日本語の教科書3冊と日本語能力検定試験のガイドラインを参考にして選定した基本動詞376語を収録している。選定された376語はインド・プネー市の日本語教育機関で学習者が学ぶべき動詞をすべて網羅している。
本辞典は,総ページ数が560ページであり,各動詞の辞書項目は,基本的意味および拡張的意味を収めてあるだけでなく,日常会話でよく使われる慣用表現も収録してある。また,ほぼどの見出し語にも日本語とマラーティー語の対照的な観点からの文法的な解説がつけてある。日本語語釈,例文,解説,補足説明,語法などすべてが日本語 (ルビ付き) とマラーティー語の両言語で提示されており,索引も日本語からマラーティー語とマラーティー語から日本語の両方を用意している。さらに,付録として,動詞に関する文法項目としてテンス・アスペクト・ヴォイス・授受動詞,感情表現の動詞,敬語の解説を日本語とマラーティー語で提供している。こうした点で本辞典は文字通りの二言語辞典である。
全般的に,このような学習者用の二言語辞典は,漢字や語彙の学習,授業や教科書を離れての日本語学習を補強するのみならず,体系的,かつ,包括的に動詞の意味を理解することで,日本語会話を効率よく習得するのに役立つ。さらに,日本語能力試験の受験対策や将来翻訳者を目指す人,すでに翻訳などの仕事をしている人にも参考になると思われる。

講座 日本語コーパス 4 コーパスと国語教育

書影

前川 喜久雄 (監修)
田中 牧郎 (編)
田中 牧郎,鈴木 一史,河内 昭浩,棚橋 尚子,相澤 正夫近藤 明日子 (著)

朝倉書店 (詳細ページ),2015年12月15日,ISBN 9784254516043

日本語コーパスを基盤データーベースとして国語教育に活用するための研究。アプローチを概説。国語教育分野で用いられる各コーパスの特徴,語彙教育,作文教育,漢字教育,国語政策についての研究事例を紹介。付録に語彙表の作り方を収録。

有対動詞の通言語的研究 ―日本語と諸言語の対照から見えてくるもの―

書影

プラシャント・パルデシ,桐生 和幸,ハイコ・ナロック (編)

くろしお出版 (詳細ページ),2015年12月7日,ISBN 9784874246795

述語構造の意味範疇に関わる重要な言語現象の1つが「他動性」である。動詞の形態に標示される他動性つまり有対自他動詞の形式的な関係,他動性に関与する意味的要因の解明,他動性の段階性と統語的な振る舞いとの関係,他動性とアスペクト・ボイスなど他の文法カテゴリーとの関係,他動性と談話のインタラクション (前景化,背景化),自他動詞の習得など様々な観点から他動性について今なお活発に研究が行われている。
日本語にはいわゆる有対自他動詞が豊富にあり,動詞の形態に標示される他動性は,古くから盛んに研究されてきた。また,言語類型論の分野でも,70年代から有対自他動詞の形式的な関係における通言語的な普遍性と多様性を探求する研究が盛んに行われている (詳しくは「序論」を参照)。本論文集に収録されている論文の多くは世界諸言語の動詞に反映される他動性について論じ,日本語との対照を行っている。 (「まえがき」より)

日本語文型辞典 英語版 ―A Handbook of Japanese Grammar Patterns for Teachers and Learners―

書影

グループ・ジャマシイ (編著)
砂川 有里子,石田 プリシラ (翻訳監修)
クロス 尚美,プレゲンズ・ジャン,ブローディー・ブリジット,木津 弥佳,三森 由子,部田 和美,宮添 輝美 (翻訳)

くろしお出版 (詳細ページ),2015年10月23日,ISBN 9784874246788

1998年の刊行以来,日本語教師・日本語学習者のバイブル的な辞典として親しまれてきた日本語文型辞典,待望の英語翻訳版。約3000という圧倒的な数の文型を,多様な例文をもって丁寧に解説。日本語能力試験対策にも。

- 約3000項目の文型を収録。
- 使い方がしっかり理解できるよう,できるだけ多くの作例を用意。
- 文型の構造・使用場面・類義表現との使い分けなども丁寧に解説。
- 間違いやすい点に留意できるよう,必要に応じて誤用例を提示。
- 「っけ」や「っこない」など,話しことば特有の表現も多く取り上げた。
- 例文は総ルビと翻訳,解説は全翻訳をつけた。
- 「50音順索引」「末尾語逆引き索引」「意味・機能別項目索引」の三種類索引で検索に便利。

ひつじ研究叢書 (言語編) 第127巻 コーパスと日本語史研究

書影

近藤 泰弘,田中 牧郎小木曽 智信 (編)

ひつじ書房 (詳細ページ),2015年10月,ISBN 9784894767515

日本語史研究にどのようにしてコーパスを用いるかについての日本最初の概説書。具体的な研究方法も満載。また,オクスフォード大学の古典語コーパスについても開発者自らが詳しく解説。その他,古典語コーパス関係の文献解題も付載。なお,国立国語研究所の「日本語歴史コーパス」の開発に関わった研究者による共同研究の成果でもある。

The Handbook of East Asian Psycholinguistics, Volume 2: Japanese

書影

中山 峰治,馬塚 れい子,白井 恭弘 (編)

Ping LI (監修)

Cambridge University Press (詳細ページ),2015年7月,ISBN 9781107504578

This handbook, the second in a three-volume series on East Asian psycholinguistics, presents a state-of-the-art discussion of the psycholinguistic study of Japanese. With contributions by over fifty leading scholars, it covers topics in first and second language acquisition, language processing and reading, language disorders in children and adults, and the relationships between language, brain, culture, and cognition. It will be invaluable to all scholars and students interested in the Japanese language, as well as cognitive psychologists, linguists, and neuroscientists.

開拓社 言語・文化選書53 文法現象から捉える日本語

書影

岸本 秀樹 (著)

開拓社 (詳細ページ),2015年6月28日,ISBN 9784758925532

私たちが何気なく操ることばは,非常に身近なものであり,日頃はそれほど意識されない存在である。しかし,ことばによって生み出される文法現象を詳しく調べてみると,驚くほど整然とした法則性に支配されていることがわかる。本書では,日本語で観察されるいくつかの文法現象を取り上げ,そこに潜む法則性の探求を通じて,言語のメカニズムを解き明かし,日本語の本質に迫っていく。

現場に役立つ日本語教育研究1 データに基づく文法シラバス

書影

庵 功雄,山内 博之 (編)

小西 円, 他 (分担執筆)

くろしお出版 (詳細ページ),2015年6月10日,ISBN 9784874246634

本書は、「文法シラバス」というものをどのように考えるべきかについて,多角的に検討した論文集である。
本書の書名は『データに基づく文法シラバス』である。「文法シラバス」については本書の中でもいくつか定義が述べられているのでここでは割愛し,「データに基づく」という部分について,少し述べてみたい。
これまでの日本語教育にはいくつかの文法シラバスが存在するが,その多くは,当時の日本語教育関係者の経験値 (「勘」) によって定められたものと言えよう。そのこと自体が問題であるわけではない。シラバスに問題点があるとしても,時代的な制約などを考えれば当然の部分も多い。問題なのは,既存のシラバスを「金科玉条」のように考え,その実質的な改訂を拒んできたこれまでの日本語教育の体制にある。
この点に関する詳しい議論は他所に譲るが,いずれにせよ,現在の文法シラバスにはさまざまな問題点が存在し,一種の制度疲労を起こしているのは明らかである。今,必要なのは,具体的なデータや方法論にもとづいて,「文法シラバス」とはどのようなものであるべきかを問い直す作業である。本書の「データに基づく」という名称には,編者および各執筆者のこうした思いが込められている。 (庵功雄「まえがき」より)

Handbooks of Japanese Language and Linguistics 9
Handbook of Japanese Psycholinguistics

書影

中山 峰治 (編)
柴谷 方良影山 太郎 (シリーズ編)

De Gruyter Mouton (詳細ページ),2015年6月,ISBN 9781614511656

The studies of the Japanese language and psycholinguistics have advanced quite significantly in the last half century thanks to the progress in the study of cognition and brain mechanisms, and because of technological developments in experimental techniques. This volume contains 18 chapters that discuss the process of Japanese language acquisition as a first/second language and the mechanism of Japanese language perception and production.

大正・昭和戦前期 政治・実業・文化 演説・講演集―SP盤レコード文字化資料

書影

金澤 裕之,相澤 正夫 (編)

日外アソシエーツ (詳細ページ),2015年4月25日,ISBN 9784816925313

コレクターが丹念に蒐集したSP盤レコードに遺された肉声を,言語研究の専門家が可能な限り忠実に文字に起こした,これまでにない資料集。大正4年「司法大臣尾崎行雄君演説」をはじめとした,大正から昭和戦前期の政治家・軍人・実業家・文化人など89名による135編の演説を収録。話者の思想や考え方はもとより,言葉遣いや話し方の特徴まで読み取ることができ,日本語研究・近現代史研究に役立つ。

文法・談話研究と日本語教育の接点

書影

阿部 二郎,庵 功雄,佐藤 琢三 (編)

石黒 圭,他 (分担執筆)

くろしお出版 (詳細ページ),2015年4月5日,ISBN 9784874246535

本書は,砂川有里子先生のご退職を記念して,先生にゆかりのある筆者が集まって一書としたものです。 (中略)
「文法」「談話」「日本語教育」は,「日本語学」建学の最大の功労者である故寺村秀夫先生の研究を位置づけるキーワードでもあります。文法,談話の研究と日本語教育を結びつけるという課題は,「日本語学」建学以来一貫した課題であり続けています。本書に掲載された15本の論文は,15人の筆者がこの課題に挑んだ最新の研究成果です。 (「まえがき」より)