一般に言語というものは,人間として共通の生物学的・認知的基盤に根ざす「普遍的」な性質と,人間が生活している社会や文化の違い等から生じる「個別的」な性質の両方を備えています。日本語に関しても,人間言語としての普遍性と日本語独自の個別性の区別に配慮しながらグローバルな観点から研究を進めることが重要です。本研究所では,発音・文字・文法・語彙・方言・敬語・歴史的変化など日本語内部の諸相はもとより,諸外国語との比較対照や,言語習得,日本語教育,自然言語処理などの関連分野との学際的視点も含めた多角的,総合的な研究を実施し,個人や大学ではなしえない包括的な研究を推進しています。
「基幹型共同研究」は,日本語の全体像の総合的解明という学術的目標に向けて研究所が総力を結集して取り組む大規模プロジェクトです。4研究系の専任教授および客員教員のリーダーシップのもと,国内外の研究者・研究機関との協業により全国的,国際的レベルで展開しています。
また中・小規模のプロジェクトとして独創性に富む斬新な研究課題を扱う「独創・発展型共同研究」と,新しい研究領域の創成が将来期待される「萌芽・発掘型共同研究」も開始しています。
平成22年4月からは,日本語教育研究 ・ 情報センターにおいて「基幹型共同研究」を,12月からは,研究系及びセンターが指定した特定のテーマを扱う共同研究を一般公募し,外部の研究者をリーダーとする「領域指定型共同研究」も開始しました。
更に,平成23年10月からは,日本語教育研究・情報センターにおいて「領域指定型共同研究」2件を開始しました。
| 課題名 | 概念図 | プロジェクトリーダー |
| 日本語レキシコンの音韻特性 | 窪薗 晴夫 | |
| 日本語レキシコンの文法的・意味的・形態的特性 | 影山 太郎 | |
| 文字環境のモデル化と社会言語科学への応用 | 横山 詔一 | |
| 日本語レキシコン-連濁事典の編纂 | Timothy J. VANCE | |
| 消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究 | 木部 暢子 | |
| 方言の形成過程解明のための全国方言調査 | 大西 拓一郎 | |
| 多角的アプローチによる現代日本語の動態の解明 | 相澤 正夫 | |
| 日本語変種とクレオールの形成過程 | 真田 信治 | |
| コーパスアノテーションの基礎研究 | 前川 喜久雄 | |
| 通時コーパスの設計 | 近藤 泰弘 | |
| コーパス日本語学の創成 | 前川 喜久雄 | |
| 形容詞節と体言締め文:名詞の文法化 | 角田 太作 | |
| 節連接へのモーダル的・発話行為的な制限 | 角田 太作 | |
| 述語構造の意味範疇の普遍性と多様性 | Prashant PARDESHI | |
| 多文化共生社会における日本語教育研究 | 迫田 久美子 |
| 課題名 | 概念図 | プロジェクトリーダー |
| 敬語と敬語意識の半世紀-愛知県岡崎市における調査データの分析を中心に- | 井上史雄 (明海大学教授) |
|
| 言語の普遍性及び多様性を司る生得的制約:日本語獲得に基づく実証的研究 | 村杉(斎藤)恵子 (南山大学教授) |
|
| 日本語教育のためのコーパスを利用したオンライン日本語アクセント辞書の開発 | 峯松信明 (東京大学准教授) |
|
| 文末音調と発話意図とを統合した話し言葉のアノテーションの可能性-日本語諸方言の同意要求表現を中心に考える- | 岡田祥平 (九州共立大学講師) |
|
| パラ言語情報および非言語情報の研究における基本概念の体系化 | 森大毅 (宇都宮大学准教授) |
|
| 空間移動表現の類型論と日本語:ダイクシスに焦点を当てた通言語的実験研究 | 松本曜 (神戸大学教授) |
|
| 学習者コーパスから見た日本語習得の難易度に基づく語彙・文法シラバスの構築 | 山内博之 (実践女子大学文学部教授) |
|
| 日本語を母語あるいは第二言語とする者による相互行為に関する総合的研究 | 柳町智治 (北海道大学国際本部留学生センター教授) |
| 課題名 | 概念図 | プロジェクトリーダー |
| 複文構文の意味の研究 | 益岡隆志 | |
| 大規模方言データの多角的分析 | 熊谷 康雄 | |
| 日本語文法の歴史的研究 | 青木博史 | |
| 接触方言学による「言語変容類型論」の構築 | 朝日 祥之 | |
| 多様な様式を網羅した会話コーパスの共有化 | 伝 康晴 | |
| 近代語コーパス設計のための文献言語研究 | 田中 牧郎 | |
| 日本語学習者用基本動詞用法ハンドブックの作成 | Prashant PARDESHI | |
| 定住外国人の日本語習得と言語生活の実態に関する学際的研究 | 野山 広 |
| 課題名 | 概念図 | プロジェクトリーダー |
| 会話の韻律機能に関する実証的研究 | 小磯 花絵 | |
| 訓点資料の構造化記述 | 高田 智和 | 首都圏の言語の実態と動向に関する研究 | 三井はるみ |
| 方言談話の地域差と世代差に関する研究 | 井上文子 | |
| 近現代日本語における新語・新用法の研究 | 新野直哉 | |
| 統計と機械学習による日本語史研究 | 小木曽智信 | |
| テキストの多様性を捉える分類指標の策定 | 柏野 和佳子 | |
| テキストにおける語彙の分布と文章構造 | 山崎 誠 | |
| 文脈情報に基づく複合的言語要素の合成的意味記述に関する研究 | 山口 昌也 |