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日本語変種とクレオールの形成過程

略称海外の日本語変種
プロジェクトリーダー 真田 信治(さなだ しんじ)
国立国語研究所客員教授
奈良大学教授
研究分野日本語学
キーワード社会言語学,言語接触,クレオール

概要

アジア・太平洋の各地には,戦前・戦中に日本語を習得し,現在もその日本語能力を維持する人々が数多く存在する。特に台湾やミクロネシアなどでは,母語を異にする人々の間でのリンガフランカとして用いられ続けている。また,台湾宜蘭県の一部では,日本語をベースとしたクレオールが形成されている。本研究では,これらの地域(台湾・ミクロネシア・マリアナ諸島・サハリン・中国東北部など)を対象としたフィールドワークによって,現地での日本語変種,およびクレオールの記述・記録を行い,海外での,日本語を交えた異言語接触による言語変種の形成過程,ならびにそこに介在した社会的な背景を究明する。なお,台湾宜蘭県における日本語をベースとする宜蘭クレオール(Yilan Creole)は,各世代を通して使用されているが,それを除けば,各地域の日本語話者は,現在そのほとんどが75歳以上の高齢に達しており,その日本語運用に関するデータの蓄積と記述は,まさに急務である。

共同研究者(所属)

朝日祥之(国立国語研究所),簡月真(国立東華大学),全永男(延辺大学),鳥谷善史(天理大学),水野義道(京都工芸繊維大学),ロング・ダニエル(首都大学)

研究目的

本研究は,アジア・太平洋の各地(具体的には,台湾・ミクロネシア・マリアナ諸島・サハリン・中国東北部など)を対象としたフィールドワークによって,それぞれの地域における日本語変種,およびクレオールの実態を明らかにすることを目的とし,以下の課題を推進する。

  1. さまざまな日本語変種の記述研究を進め,言語接触論の展開(「接触日本語学」の樹立)に資するデータを提供する。
  2. 第二言語の維持という事象を総合的に捉えるための研究基盤を確立する。
  3. 日本語に基づいたクレオール研究の新しい地平を開く。

そして,これらの成果を特に海外に向けて発信することを本研究の第一目標とする。

研究計画・方法

メンバーはいずれも社会言語学,接触言語学を専門分野とする研究者であるが,さらに海外の言語学者,特に接触言語学の研究者と連携しつつ研究を進める。

役割分担

  • 真田は,全体の統括をするとともに,日本語変種および日本語をベースとしたクレオールの総合的記述を行う。
  • ロングは,小笠原諸島ならびにマリアナ諸島でのフィールドワークを基に,言語接触によって生じた日本語変種 の記述・考察を進める。
  • 簡は,台湾での日本語変種研究を集大成する。また,宜蘭クレオール(Yilan Creole)の調査と分析を進める。
  • 水野は,中国東北部を主とするフィールドワークを基に,言語接触によって生じた日本語変種の記述・考察を 進める。
  • 朝日は,サハリンならびに北海道でのフィールドワークとともに,サハリン,クリル列島からの帰還者たちの言語 運用実態を記述・考察する。なお,朝日は当該プロジェクトの推進に当たっての事務局業務を担当する。
  • 鳥谷は,主としてデータベースの構築にかかわる業務を担当する。

研究計画

  • 平成21年度:準備的調査,研究報告会
  • 平成22年度:実地調査,研究報告会,海外での公開シンポジウムの開催(於サイパン),資料集の刊行
  • 平成23年度:実地調査,研究報告会,国内・海外の学会での発表,研究成果の刊行
  • 平成24年度:実地調査,研究報告会,研究成果の刊行
  • 平成25年度:理論面を充実させた研究成果を英文で公刊

研究成果

本研究にかかわる研究成果(刊行書)には、次のものがある。

資料集

  • 国立国語研究所・真田信治編『ミクロネシア・サイパン残存日本語の談話データ』
    (国立国語研究所・真田信治、平成23年3月)

著書

  • 簡月真著/真田信治監修『台湾に渡った日本語の現在―リンガフランカとしての姿―』
    (明治書院、平成23年9月)

共同研究発表会

開催日時 開催場所 開催案内 開催概要
平成23年12月2日(15:00-18:00) 国立国語研究所
平成22年10月 2日(14:00-17:00) 国立国語研究所 >
平成22年 5月15日(9:00-17:00) サイパン・ビジターセンター > >
平成21年11月 6日(14:00-17:00) 国立国語研究所