このプロジェクトは平成24年3月で終了しました。今後の更新予定はありません。

節連接へのモーダル的・発話行為的な制限

略称五段階
プロジェクトリーダー角田 太作 (つのだ たさく)
国立国語研究所 言語対照研究系 教授
研究分野言語学
キーワード節連接,五段階,モーダル,発話行為

概要

接続表現の用法は五段階に分類できる。日本語の接続表現「から」の例を見よう。

レベルI:雨が降ったから, 花子は家にいた。(原因 と 結果)
レベルII:雨が降ったから, 花子は家にいるかもしれない。(原因 と 結果・判断)
レベルIII:雨が降ったから, 家にいなさい。(原因 と 結果・働きかけ)
レベルIV:(花子は天気がよいと,必ず外出するという文脈。)
花子が家にいるから,雨が降ったのかもしれない。
レベルV:ビールは冷蔵庫にあるよ。喉が渇いているようだから。

レベルIからレベルIIIまでは,「原因=>結果」の関係を表す。更に,レベルIIの結果は同時に判断も表す。レベルIIIの結果は同時に働きかけも表す。

しかし,レベルIVとレベルVでは,「原因=>結果」の関係を表わさない。レベルIVでは判断の根拠を表す。「花子が家にいることを根拠に判断すると,雨が降ったのかもしれない」という意味を表す。レベルVでは発話行為の前提を表す。「喉が渇いているようだということを前提にして,「ビールは冷蔵庫にあるよ。」と伝える発話行為を行う」という意味を表す。

「から」は原因・理由を表す。全てのレベルで使える。しかし,原因・理由を表す接続表現が全て,レベルIからレベルVまで使える訳ではない。たとえば,「ために」は主にレベルIでしか使えない。

このように,接続表現によって使えるレベルが異なる。

本プロジェクトでは,原因・理由,条件,逆説の三つの種類の接続表現を考察し,どのレベルで使えるか,使えないかを,検討する。

共同研究員 (所属)

平成24年3月時点の所属です。

  • 家本 太郎
    (京都大学)
  • 井上 優
    (麗澤大学)
  • 梅谷 博之
    (東京大学)
  • 遠藤 史
    (和歌山大学)
  • 大角 翠
    (東京女子大学)
  • 小野 秀樹
    (東京大学)
  • 風間 伸次郎
    (東京外国語大学)
  • 片桐 真澄
    (岡山大学)
  • 加藤 昌彦
    (大阪大学)
  • 河内 一博
    (防衛大学校)
  • 北野 浩章
    (愛知教育大学)
  • 金 廷珉
    (慶一大学校)
  • 金 恩愛
    (福岡県立大学)
  • 桐生 和幸
    (美作大学)
  • 久保 智之
    (九州大学)
  • 呉 人惠
    (富山大学)
  • 児島 康宏
    (東京外国語大学)
  • 小林 正人
    (東京大学)
  • 坂本 文子
    (外務省研修所)
  • 佐々木 冠
    (札幌学院大学)
  • 笹間 史子
    (大阪学院大学)
  • 塩谷 亨
    (室蘭工業大学)
  • 下地 理則
    (群馬県立女子大学)
  • 白井 聡子
    (名古屋工業大学)
  • 沈 力
    (同志社大学)
  • 高橋 清子
    (神田外語大学)
  • 田口 善久
    (千葉大学)
  • 千田 俊太郎
    (熊本大学)
  • 角田 三枝
    (立正大学)
  • 永井 忠孝
    (青山学院大学)
  • Heiko NARROG
    (東北大学)
  • 平野 尊識
    (山口大学)
  • Anna BUGAEVA
    (早稲田大学)
  • Andrej MALCHUKOV
    (Max Planck Institute)
  • 宮地 朝子
    (名古屋大学)
  • 八杉 佳穂
    (国立民族学博物館)
  • 山田 久就
    (小樽商科大学)
  • 米田 信子
    (大阪大学)
  • 今村 泰也
    (国立国語研究所)
  • Timothy J. VANCE
    (国立国語研究所)
  • Prashant PARDESHI
    (国立国語研究所)
  • John WHITMAN
    (国立国語研究所)

研究目的

節連接の五段階における,原因・理由,条件,逆説の3種類の接続表現の使い分けを考察する。対象とする言語は北米,中米,大洋州,アジア,アフリカの諸言語,および英語の,約40の言語である。以下の項目について,検討する。

(1) どの接続表現がどのレベルで使えるか,使えないか。
(2) 原因・理由,条件,逆説の接続表現の使い分けは同じ傾向を示すか?異なる傾向を示すか?
(3) 話し言葉と書き言葉で,使える接続表現の種類は異なるか?
(4) 同じ接続表現でも,話し言葉と書き言葉では,使えるレベルが異なるか?
(5) 従属文,等位文,parataxis (文の並立) は,使えるレベルが異なるか?

研究計画・方法

本年度は共同研究発表会を5回行う。4月,6月,10月,12月,3月である。

メンバーは共同研究発表会で研究成果を発表する。更に,共同研究発表会での討論の成果をふまえて,論文を書き直す。

予算の許す範囲で,フィールドワークも行う。

参考文献

共同研究発表会

開催日時 開催場所 開催案内 開催概要
平成24年3月10日 (13:00-19:00)
平成24年3月11日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成23年12月10日 (13:00-19:00)
平成23年12月11日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成23年10月15日 (13:00-19:00)
平成23年10月16日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成23年6月25日 (13:00-19:00)
平成23年6月26日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成23年4月23日 (13:00-19:00)
平成23年4月24日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成23年3月26日 (13:00-19:00)
平成23年3月27日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > 中止
平成22年12月11日 (13:00-19:00)
平成22年12月12日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成22年10月16日 (13:00-19:00)
平成22年10月17日 (9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成22年7月24日 (13:00-19:00)
平成22年7月25日 ( 9:00-15:00)
国立国語研究所 > >
平成22年3月28日 (9:00-15:00) 国立国語研究所 > >
平成21年12月13日 (9:00-15:00) 国立国語研究所 > >