このプロジェクトは平成25年10月で終了しました。今後の更新予定はありません。

方言談話の地域差と世代差に関する研究 プロジェクトの詳細

研究目的

本プロジェクトは,将来,方言談話の類型と変容に関する大規模な調査・研究を実施することを前提として,そのためのパイロット調査的な役割を果たすものである。重点地域において必要な諸データを得ること,次の点に関わる仮説や枠組みを明確にすることを目的とする。

  1. 方言談話の収集・分析を通じて,文法研究および談話分析の観点から,実際の文脈の中における言語事象の使用実態や機能を把握する。
  2. 地域間比較をおこない,方言談話の類型を記述する。
  3. 世代間比較をおこない,その変容の方向を明らかにする。

本プロジェクトは,時空間変異研究系が目標とする「現在および過去における地理的・社会的変異,歴史的変化の様相を解明する」研究として位置づけられ,「方言の全国調査,琉球など消滅危機方言の調査,現代日本語の動態の解明,日本語変種の形成過程といった共同研究」を補完するデータを提供するものである。収録した方言談話は,研究者に活用されることを想定し,研究情報資料センターにも保存する。

研究計画・方法

平成23年度

(1) 既存の方言談話資料を基礎データとして,方言談話にみられる言語事象について記述・分析をおこなう。特に,談話標識として機能する間投表現,接続表現などの要素に焦点をあてて,談話展開の特徴について整理する。

(2) それぞれのテーマの解明に必要な事項を検討し,データ収集のための方言談話の収録調査を企画する。基礎データの記述・分析に基づいて,収録調査を実施すべき重点地域を選定する。基礎データと比較するために,原則として,基礎データの収録地点から調査候補を選ぶ。重点地域は,共同研究員との検討を経たうえで決定するが,現時点での候補は,①東京,②大阪を想定している。これらの地点は,先行研究でも対象とされた地点であるが,話者数・収録時間数が十分とは言えず,談話展開の特徴が地域差であるのか個人差であるのか,しばしば指摘されるところである。そこで,本プロジェクトでは,一地域の方言談話について,できる限り多くのデータを収集することとする。また,談話の種類 (自然会話・インタビュー・作業説明・民話の語り・場面設定の会話など) や,談話の参加者の組み合わせ (性別・年層・上下・親疎・人数など),話題などについて,どの程度コントロールするかを検討し,収録調査の際の条件を統一する。

平成23年度・平成24年度

(3) 選定したそれぞれの重点地域において,統一した条件のもとで,複数の世代 (高年層60~70歳代,若年層20~30歳代) について,各2~3名のグループによる方言の自然会話を,収録の対象とする。これに加えて,さまざまな種類・組み合わせの方言談話をできるだけ多く収録 (録音・録画) する。方言談話の音声の録音とともに,談話データを分析する際には非言語行動の重要性も高いため,談話の場面の録画をおこなう。

平成23年度・平成24年度・平成25年度

(4) 収集した談話は,収録地の方言と地域情報について知識のある協力者に依頼し,録音・録画をもとに,方言音声のテキスト化,共通語訳,注記付与をおこなう。テキスト化・共通語訳・注記はメンバーが校閲し,また,表記についても検討して,正確な言語データとして利用できるように整備する。

平成25年度

(5) 基礎データと同様に,収録した談話に現れた間投表現・接続表現について形式を整理し,また,談話の構造や談話標識などを観察し,実際の文脈の中での運用や機能について記述・分析する。

(6) 地域間,世代間,場面の比較をおこない,談話のパターンや変化の様相について考察する。

平成22年度~平成25年度

(7) 記述・分析の過程で,随時,検討会・研究会を開き,分析結果,考察などについて意見を交換する。

(8) 研究発表会,シンポジウムを開催する。

共同研究員 (所属)

平成25年10月時点の所属です。

  • 熊谷 智子(東京女子大学)
  • 小西 いずみ(広島大学大学院)
  • 高橋 顕志(群馬県立女子大学)
  • 日高 水穂(関西大学)
  • 松田 美香(別府大学)
  • 三井 はるみ(国立国語研究所)