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日本語を母語あるいは第二言語とする者による相互行為に関する総合的研究

略称日本語相互行為
プロジェクトリーダー柳町 智治
北星学園大学文学部教授
研究分野日本語教育
キーワード相互行為,インタラクション,会話分析,第二言語,マルチモダリティ,日本語教育,第二言語教育

概要

言語を使用して会話するというのは,発話者だけの問題ではない。むしろ,会話の話し手と聞き手の双方が,自らの「参加」の仕方を文脈に敏感な形で調整しながら会話を組織化している。また,言語とはそれ自体として孤立して用いられているのではなく,常に実践に埋め込まれており,そこでは,言語だけでなく,環境中のさまざまなリソース(人工物等)も実践の組織に関わっている。

相互行為という分析の枠組みは,これまでの「個人の間で情報やメッセージがやりとりされる」という「伝達モデル」とは異なるコミュニケーション観を我々に提示する。本プロジェクトでは,このような立場から,日本語を母語あるいは第二言語とする者が日常生活のさまざまな場面において他者や環境とやりとりしながら実践をおこなっている様子をビデオデータと文字化データをもとに微視的に分析し,理論的考察および教育現場への具体的提言を行う。

共同研究者(所属)

岡田みさを(北星学園大学),水川喜文(北星学園大学),山本真理(北海道大学),平田未季(北海道大学),舩橋瑞貴(早稲田大学),岡本能里子(東京国際大学),野田尚史(国立国語研究所)

研究目的

人々の実際の会話には数多くの,発話の繰り返し,言いさし,言いよどみ,重なり,ポーズといった現象が見られる。こうした現象は,本来完全であるはずの発話が不完全な形で産出された際の「ノイズ」などではない。むしろこれらは,近年の相互行為,会話分析の研究が明らかにしているように,「参加者間の会話への参加が微妙に調整されながら組織されていること」を強い形で示している。本プロジェクトの一つの意義は,以上の視点に立ち,参加者がどのように他者と協働的に個々の相互行為に参加し,社会的実践を行っているのかを明らかにすることができる点にある。

さらに近年では,人々の相互行為を発話以外のリソースも含め捉えることの重要性も議論されている。「言語,非言語,人工物は,並列しお互いに意味を与え合いながら人間の行動をかたち作っている」(C.Goodwin2000)という「マルチモダリティ」の分析視点である。本プロジェクト研究においても,文脈中の諸リソースがどのように母語話者および第二言語話者による相互行為の組織化に関わっているのかを日本語のデータをもとに明らかにする。

研究計画・方法

平成23年度には,以下の具体的な作業を行う。

  1. プロジェクトチームを正式に組織し,調査の目的と方法を確定する。
  2. 既存のデータの整理を行うとともに,新たなデータ収集計画を立てる。
    収集するにあたっては,調査協力者,協力機関との交渉を行う。
  3. データ収集の許可が得られたものについては,ビデオカメラ等を使い収集を開始する。
  4. データの収集分析と並行して,関連する先行研究の調査を行う。
  5. 平成24年2月あるいは3月に国立国語研究所において第1回の研究発表会を実施し,各メンバーが発表を行うとともに,参加者との意見交換を行う。

共同研究発表会

開催日時 開催場所 開催案内 開催概要
平成24年3月3日(13:00-17:00) 国立国語研究所
平成24年2月4日(10:00-17:00)
平成24年2月5日(10:00-17:00)
北海道大学国際本部留学生センター
北海道大学学術交流会館