「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」研究発表会 (平成30年6月9日)

プロジェクト名・リーダー名
対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授)
班名・リーダー名
音声研究班 「語のプロソディーと文のプロソディー」
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授)
開催期日
平成30年6月9日 (土) 13:30~17:00
開催場所
国立国語研究所 3階 セミナー室 (東京都立川市緑町10-2)
交通案内

事前申込み不要,参加無料

平成30年度 第1回 プロジェクト研究発表会

プログラム

13:30~14:30 発表① 「デンマーク語イントネーションに関する初期調査報告」
"Preliminary report on Danish intonation"
三村 竜之 (室蘭工業大学)
MIMURA Tatsuyuki (Muroran Institute of Technology)

デンマーク語のイントネーションは先行研究が既に豊富にあるものの,その殆どが音響分析に基づく数理モデル化を目指しており,教育に応用可能な基礎的な記述資料は思いの外乏しい。そこで本発表では,発表者が採取した一次資料に基づき,文とリズムの仕組みや,個々の文の種類 (例 : 疑問文) と文末音調の型 (例 : 上昇調) との対応関係など,デンマーク語のイントネーションにまつわる基本事項の解明と整理を試みる。

14:45~15:45 発表② 「チベットブルマ諸語の声調について」
"Tonal aspects of some Tibeto-Burmese languages"
川原 繁人 (慶應義塾大学),李 勝勲 (国際基督教大学),桃生 朋子 (目白大学)
KAWAHARA Shigeto (Keio University), LEE Seunghun (International Christian University), MONOU Tomoko (Mejiro University)

Dzonghkha (ブータン),Dränjongke (シッキム) はチベット・ビルマ系の言語である。これらの言語は声調の対立とともに,喉頭特徴で区別される4つの対立があることが知られている。本研究では,声調と喉頭特徴がどのように基本周波数に影響するのかを音声学的に分析する。両言語において,声調対立が母音部分だけでなく,子音部分にも現れ,また子音部分のみに現れる話者すら存在する。これらのパターンを音韻論的にどう分析するべきか考察する。

16:00~17:00 発表③ 「日本語の有声性の対立に関する語彙的競合の影響について」
"The influence of lexical competition on voicing contrast in Japanese"
北原 真冬 (上智大学),田嶋 圭一 (法政大学),米山 聖子 (大東文化大学)
KITAHARA Mafuyu (Sophia University), TAJIMA Keiichi (Hosei University), YONEYAMA Kiyoko (Daitobunka University)

本研究では日本語破裂音の有声・無声の対立を支えているVOTが,レキシコン内の語彙の分布によって,産出面でどのような変異を持つかを調べた。天野・近藤 (1999) において/k/-/g/対立を持つ語群 (1939語) と対立を持たない/k/を含む語群 (4111語) のVOTをCSJにおいて比較したところ,対立を持つ語群の/k/のVOTが持たない語群に比べて有意に長いことが分かった。