「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」オンライン研究発表会 (2021年3月14日)

「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」研究発表会
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プロジェクト名・リーダー名
日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成
木部 暢子 (国立国語研究所 言語変異研究領域 教授)
開催期日
2021年3月14日 (日) 10:30~16:00
開催場所
Web開催 : Zoom参加 (質疑参加希望者) もしくは YouTube Live配信 (視聴のみ)

Zoom参加をご希望の方は,事前登録フォームからお申し込み下さい。Zoom会議の URL と会議ID,パスワードを後日お送りいたします。

研究会の様子は同時に YouTube Live でも配信いたします。こちらはどなたでも視聴できます (視聴のみで質問は受け付けません)。

関連サイト
https://kikigengo.ninjal.ac.jp/events.html

令和2年度 第2回オンライン研究発表会

趣旨

本プロジェクトでは,日本の消滅危機言語・方言の文法記述のために毎年テーマを設けて研究発表会を開催していますが,このコロナ禍をうけ,今年度は当初予定していたテーマでの調査が困難な状況となりました。そこで,今年度第2回研究発表会は特にテーマを設けず,各発表者がこれまでの調査の中から自由なテーマで研究発表を行うことにしました。研究発表と質疑・応答はすべてオンラインで行います。

プログラム

10:30~10:40 あいさつ

10:40~11:20 (質疑応答を含む) 研究発表「北琉球沖永良部国頭方言の焦点標識」 横山 晶子 (日本学術振興会 特別研究員 / 東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所)

本発表は,北琉球沖永良部国頭方言において,焦点助詞 (=ga,=du) と,焦点呼応形式 (-ru) が現れる環境を分析する。

まず,自然談話資料において,焦点助詞と結び形 -ru の共起関係を調べ,両者の間に一方が他方の出現を統制するような呼応関係がないことを述べる。

次いで,自然談話資料で各形式が現れた文節を調べ,各形式が現れやすい文のタイプ,節のタイプ,焦点タイプを整理する。

最後に,自然談話資料で観察された傾向を,エリシテーションによって確認した結果を報告する。

11:20~12:00 研究発表「北琉球硫黄鳥島方言の埋め込み疑問文」 ハイス・ファン=デル=ルべ (日本学術振興会 外国人特別研究員 / 沖縄国際大学)

本発表では,沖縄県久米島町字鳥島で話されている方言を対象とし,発表者が現地調査で得たデータをもとに埋め込み疑問文ついて記述する。北琉球諸語において,埋め込み疑問文の焦点助詞 ga に,いわゆる‘係り結び構造’が用いられることが指摘されてきた。鳥島方言における埋め込み疑問文においても焦点助詞 ga による構造が現れるが,それと異なる構造も見られる。

12:00~13:30 昼休み

13:30~14:10 研究発表「久米島具志川方言の格ととりたて〈素描〉」 仲原 穣 (琉球大学)

北琉球諸語の一つである沖縄語久米島・具志川方言について報告する。まず,当該方言について概況と特徴について述べる。次に久米島・具志川方言の格ととりたてについて,現時点までの調査で得た資料から得られたデータを元にし,機能や用法について例文を示して記述する。

14:10~14:50 研究発表「多良間方言の韻律構造 : 韻律語の再定義の試み」 セリック・ケナン・チボ (国立国語研究所)

本発表では,多良間方言の韻律構造における「韻律語」という韻律的単位の再定義を試みる。韻律語は多良間方言のアクセント体系を正しく記述するために導入された韻律的範疇である。従来の研究では,「2拍以上の語根/接語によって形成される」のように,語根 (または,接辞や1拍接語が付いた語根) の「上」の単位として定義されてきた。しかし,この定義に反する例が数多く見られており,採用されてきた定義が実際に妥当かどうかについては議論の余地が残る。本発表では,新しい調査データを加えながら,韻律語を語根の「下」の単位として位置付ける新しい分析を提案する。さらに,韻律語の形成がポストレキシカル的な規則によって決まるのではなく,語彙的に指定されていることを示すデータを提示する。

14:50~15:00 休憩

15:00~15:40 ディスカッション