著書紹介 平成24年度 (2012年度)

太字 : 発行時の在籍者

A Frequency Dictionary of Japanese: Core Vocabulary for Learners
(Routledge Frequency Dictionaries)

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投野 由紀夫,山崎 誠前川 喜久雄 (著)

Routledge (詳細ページ),2013年1月,ISBN 9780415610131

英国の出版社Routledge社の頻度辞書シリーズの一冊。国語研が開発した『現代 日本語書き言葉均衡コーパス』 (2011) 全体と『日本語話し言葉コーパス』 (2004) の模擬講演をデータとして利用した。形態論単位としてはいわゆる長単位を採用 しており,頻度上位の5000語を収録している。語を頻度順に掲載して,品詞,用 例,訳文 (英語),dispersion measure,使用域 (レジスター) などを掲載した 部分が本書の中心をなしているが,ほかに五十音順リスト,品詞別リスト,語種 別上位語リストも掲載している。本文とは別に意味領域 (動物,色,衣服,感 情,等) ごとに語をまとめて掲載するコラムを多数提供しているほか,発音のゆれが顕著な高頻度語 (「言う」,「私」,「やはり」等) については『日本語話し言葉コーパス』におけるレジスター別のゆれをグラフ化している。本書には別売の CD-ROM があり,各種リストがテキストデータとして公開されている。

Parameter Theory and Linguistic Change

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Charlotte GALVES, Sonia CYRINO, Ruth LOPES, Filomena SANDALO, and Juanito AVELAR (編)
John B. WHITMAN, 他 (分担執筆)

Oxford University Press (詳細ページ),2012年11月,ISBN 9780199659203

歴史的統語論の最も重要な問題に焦点を当てた論文集。アフロ・アジア語族やラテン語,ロマンス諸語,ゲルマン諸語,アルバニア語,ケルト語派,インド・イラン語派,そして日本語各分野の第一人者による最新の研究を収録。関連するパラメーター理論の研究,そして言語変化のダイナミクスをめぐる一冊。
ホイットマンは "The formal syntax of alignment change" を担当 (Yanagida, Yと共著)。対格類型・活格類型・能格類型など,言語の格類型がどのように変化するのかという,長年注目されてきた問題を取り上げた研究である。特にインド・イラン語派と日本語に焦点を当て,能格類型が対格類型における受動文の再分析の結果として生じるものだという定説に反論する。バンヴェニスト (1952年) の研究に従い,むしろ対格類型が能格類型に変化する場合,対格類型における非人称構文の再分析が能格類型の起源であると主張する。また,柳田 (2005年) の研究を踏まえ,上代日本語における「ガ」属格主語構文が分裂活格類型の現れである,という仮説を述べる。 (By permission of Oxford University Press)

Lingua 122巻13号 特集「ピッチアクセント体系」

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窪薗 晴夫 (編)
窪薗 晴夫上野 善道, 他 (著)

Elsevier (詳細ページ),2012年10月

このLingua特集号は,2010年12月に国語研で開催されたプロジェクト主催の国際シンポジウムISAT 2010 (International Symposium on Accent and Tone) の成果をまとめたものである。シンポジウムの主テーマ (アクセント・トーンの類型) をベースに「ピッチアクセント言語とは何か」を論じた8本の論文を収録した。日本語諸方言,バスク語,ペルシャ語,スウェーデン語等の分析をもとに世界の「ピッチアクセント言語」の異同と「アクセント」の類型を論じている。
(This article was published in Lingua Vol. 122, Issue 13 "Introduction", page 1325, Copyright Elsevier 2012.)

シリーズ社会言語科学 1 「配慮」はどのように示されるか

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三宅和子,野田 尚史,生越 直樹 (編)
井上 史雄,野田 尚史, 他 (分担執筆)

ひつじ書房 (詳細ページ),2012年10月,ISBN 9784894766037

本書は,社会言語科学会設立10周年を記念して2009年3月に東京外国語大学で開催された2つのシンポジウム「配慮言語行動研究の新地平」と「アジア圏の社会言語科学」をもとに編まれた。社会言語科学が究明すべき現代的課題として取り上げられた2つのシンポジウムをもとに,登壇者がそれぞれの立場から新たに書き起こした「配慮」をめぐる多彩な視点をもつ論文集である。 (ひつじ書房サイトより)

外来語研究の新展開

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陣内 正敬,田中 牧郎相澤 正夫 (編)

おうふう (詳細ページ),2012年10月,ISBN 9784273036980

近年急速に成熟し視野を広げた観のある外来語研究の分野を広く展望し,外来語をめぐる新しい日本語研究の姿を提示しようとするものです。そのため,外来語研究のさまざまな領域で活躍している第一線の研究者に寄稿を依頼するとともに,全体を,言語文化論的なアプローチと言語生活論的なアプローチの二部に分け,冒頭に全体を展望する総論を掲げる形で取りまとめています。

サハリンに残された日本語樺太方言

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朝日 祥之 (著)
真田 信治 (監修)

明治書院 (詳細ページ),2012年10月,ISBN 9784625434501

海外の日本語シリーズの第3巻。本書では1905年から1945年にかけてその南半分を日本が領有したサハリンに現在でも残されている日本語樺太方言の特徴とそれを取り巻く社会言語学的状況について論じている。言語接触史,フィールドワークの手法,言語構造的特徴,日本語教育史,民族語教育などが取り上げられている。

日本語アクセント入門

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松森 晶子,新田 哲夫,木部 暢子,中井 幸比古 (編著)

三省堂 (詳細ページ),2012年9月,ISBN 9784385365312

学習しやすい基本編・発展編の2部構成 (全13章) となっており,東京方言をはじめとして,鹿児島方言や京都方言,さらには琉球方言まで解説しています。また,「ポイント解説」と理解度を確認できる「練習問題」や, 楽しめる47の「コラム」も充実しており,日本語アクセントのしくみと成り立ちを解き明かした恰好の入門書です。

日中理論言語学の新展望3 語彙と品詞

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影山 太郎,沈 力 (編)

くろしお出版 (詳細ページ),2012年6月,ISBN 9784874245538

日中理論言語学の新たな展望を拓くシリーズ第3巻。最終巻となる本書では「語彙と品詞」というテーマについて,日本語や中国語,そして環太平洋の諸言語を対象に意欲的に論じています。

日本語教育のためのコミュニケーション研究

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野田 尚史 (編)
迫田 久美子, 他 (分担執筆)

くろしお出版 (詳細ページ) ,2012年5月,ISBN 9784874245552

「日本語教育をコミュニケーション重視のものにするには,その目的に合わせた研究が必要だ」と考える10人による共著。日本語教育のための」をキーワードに,日本語教育に役立つためのコミュニケーション研究とはどのようなものかを具体的に示しています。あわせて,その前提になっているコミュニケーション重視の日本語教育についても,必要に応じて述べるようにしています。

日中理論言語学の新展望2 意味と構文

書影

影山 太郎,沈 力 (編)
影山 太郎益岡 隆志, 他 (分担執筆)

くろしお出版 (詳細ページ),2012年4月,ISBN 9784874245491

これまでほとんどなされてこなかった日本と中国の理論言語学者の交流から生まれた,両国を包括した理論言語学研究の新しい展望を拓いた論文集。シリーズ第2巻となる本書は「意味と構文」というテーマのもと,日本語と中国語それぞれの研究のみならず,対照研究や類型論的研究など幅広い分野を収録。一般言語学にも寄与し得る学術的提言を行うことを目指した,最新の研究成果を満載しています。