著書紹介 2019年度

太字 : 発行時の在籍者

データに基づく日本語のモダリティ研究

書影

田窪 行則野田 尚史 (編)
田窪 行則野田 尚史小磯 花絵木部 暢子小木曽 智信,佐々木 藍子,細井 陽子,須賀 和香子,浅原 正幸窪薗 晴夫 (著)

くろしお出版 (詳細ページ),2020年3月22日,ISBN 9784874248287

多様な言語データに基づいて多角的・総合的な観点から日本語のモダリティ研究を開拓しようとする論文集。2部構成となっており,第1部「コーパスに基づく日本語のモダリティ研究」では,日常会話コーパス,諸方言コーパス,通時コーパス,学習者コーパスなど,さまざまなコーパスデータに基づいて,それぞれの日本語に見られるモダリティの様相を明らかにする論文が収められている。第2部「多角的な視点から見た日本語のモダリティ研究」では,文法の視点の他,音声,対照研究,脳科学など,さまざまな視点から日本語のモダリティの様相を明らかにする論文が収められている。

一目でわかる文章術

書影

石黒 圭 (編著)
岩崎 拓也 (著)

ぱる出版 (詳細ページ),2020年3月13日,ISBN 9784827212211

文章は「書く」ものではなく「見せる」ものである! ―日本語学の第一線の研究者たちが,これからの文章の書き方を大胆提案。「魅せる」「映える」「惹きつける」文章の秘訣を公開します。レイアウトにも徹底的にこだわり,まさに「見せる」本に仕上げた本書。メール,報告書,企画書,プレゼン資料など,ビジネスのあらゆる場面で役に立つ一冊です。

段落論

書影

石黒 圭 (著)

光文社 (詳細ページ),2020年2月29日,ISBN 9784334044619

文章を書くことは「引っ越し」に似ている。部屋に散らばる無数の小物をそのまま運びだし,トラックの荷台にバンバン載せていくと,あとで崩れて大変なことになる。衣類,食器,文房具,おもちゃなど,種類別にラベルを貼って段ボール箱に詰め,それを荷台に積みこむことで,効率のよい引っ越しができる。同様に,文章を書くときも,書き手の頭にある無数の「文」を,「段落」という箱に整理して入れ,順々に運び出すことが大事である。読み手の頭という新居に荷物が届いたら,ラベルを頼りに仕分けして梱包を解けば,そのまま適切な場所にしまえる。文章による情報の引っ越しは,「段落」という箱の使い方にかかっているのだ。(光文社新書)

日本語教師のための 実践・読解指導

書影

石黒 圭 (編著)
烏 日哲,野田 尚史,蒙 韞 (著)

くろしお出版 (詳細ページ),2019年11月27日,ISBN 9784874248164

日々の授業に役立つ,日本語教師のための「実践」シリーズ第三弾。学習者にとって日本語の読解はどのようなことが難しいのか,その「つまずき」を解消するポイントや教室活動を丁寧に解説。文章理解のみならず,「読む力」と「考える力」を同時に育成する,優れた授業実践を紹介。誤読,文法の読解指導から反転授業,ピア・リーディングまで,読解授業の難しさを解決するバリエーション豊かなヒントが満載!「読み」の可能性を広げる授業を目指す教師のみなさまに。

多義動詞分析の新展開と日本語教育への応用

書影

プラシャント・パルデシ (編)

開拓社 (詳細ページ),2019年11月16日,ISBN 9784758922777

日本語の基本動詞はほとんどが多数の語義を有する多義動詞である。そのため,基本動詞は,日本語学習者の習得の難関となるだけでなく,日本語教師にとっても教育の難関として立ちはだかる。本論文集は,上級レベルの日本語学習者と日本語教師のための「基本動詞ハンドブック」の作成を通して,最前線の研究者によって行われた多義動詞の分析と外国語との対照研究,およびそれらの日本語教育への応用に関する成果と課題の集大成である。

日本語と世界の言語のとりたて表現

書影

野田 尚史 (編著)
プラシャント・パルデシ,他 (著)

くろしお出版 (詳細ページ),2019年11月16日,ISBN 9784874248126

この本は,「だけ」「さえ」「も」のようなとりたて表現について,日本語と世界のさまざまな言語の共通点と相違点を明らかにするために,22名の研究者が共同研究を行った成果である。
古代日本語では係り結びという文法現象があったため,係り結びに関係する係助詞と関係しない副助詞を区別していた。係り結びがなくなった現代日本語では係助詞と副助詞を区別する必然性がなくなり,係助詞と副助詞をとりたて助詞としてまとめて扱うことが多くなってきた。
とりたて助詞の研究は30年ほど前から少しずつ盛んになり,現在では「とりたて」は現代日本語で重要な文法概念になってきている。
日本語以外の世界のさまざまな言語でも,「だけ」「さえ」「も」のような意味を表す表現が見られる。しかし,それぞれの言語の文法では,とりたてを表す表現は副詞などを分類するときに触れられるだけで,重要な文法的概念とは考えられていないことが多い。
そのような状況を打ち破るために,私たちは日本語だけでなく,世界のさまざまな言語のとりたて表現の研究を大きく進展させるための共同研究を行った。
日本語については,現代日本語のとりたて表現の研究をもとにして,古代日本語や,日本語を母語としない学習者の日本語などを取り上げた。日本語以外の言語については,日本語のとりたて表現の研究をもとにして,さまざまな言語のとりたて表現について特に特色のある現象を中心に分析した。
日本語以外の言語についてはこれまであまり研究が行われてこなかったテーマであるため,研究には苦労が多かったが,日本語との共通点と相違点が浮かびあがり,とりたて表現の研究のおもしろさを示せる成果が得られたと考えている。 (「この本の目的と構成」より)

前頭葉を刺激! 50歳からの1分音読でボケない脳になる

書影

柏野 和佳子西原 志保,平本 智弥,間淵 洋子 (編)

PHP研究所 (詳細ページ),2019年10月4日,ISBN 9784569845081

今,脳を活性化するトレーニングとして注目されているのが,「音読」です。人間の脳の中でいちばん大きな部分を占めており,思考や創造,運動を司るのが,前頭葉。脳の司令塔と言われています。「第1章 情景を思い描く音読」「第2章 言葉のリズムやテンポを楽しむ音読」「第3章 日本語の美しさを味わう音読」など,本書で取り上げた56編の作品は,1編見開き約1分で読み終わるように,紹介されています。古典から現代文まで,さまざまなジャンルを扱っているので,毎日飽きずに読み続けられます。黙読と違って,声に出して読むことで,高い音域と低い音域を使い分け抑揚をつけたり,息継ぎやテンポを変えて読むなど,様々な楽しみ方ができます。音読をすることは,働きが衰えてきた前頭葉を活性化できるだけではなく,言葉の力が磨かれ,人生を豊かにすることにもつながります。まずは好きな作品を選んで,少しずつ始められることをお奨めします。

学習者コーパスと日本語教育研究

書影

野田 尚史迫田 久美子 (編)

くろしお出版 (詳細ページ),2019年5月30日,ISBN 9784874248003

本書の目的は,日本語学習者の言語データを集めたコーパスをどのように拡充させていけばよいか,また,すでにできているコーパスをどのように活用して日本語教育研究を行えばよいかを示すことである。
日本語教育に実際に役立つ研究を行うためには,理論から出発するより学習者の言語データから出発するのがよいことが多い。しかし,個人で集められるデータには限りがある。そのため,データをコーパスとして公開し,共有することが重要になる。
同じデータをもとにしても,研究者によって注目することが違うことが多い。公開されたコーパスがあれば,1つのデータからさまざまな研究が行われる可能性も高くなる。
(中略)
現在は,日本だけでなく,海外でもさまざまなコーパスが作られ,インターネットでの公開も進んでいる。しかし,日本語学習者の日本語を分析し,日本語教育に役立つ研究を行うためには,さらにさまざまなタイプのコーパスを作っていく必要がある。また,コーパスを使った研究のテーマや研究方法をさらに多様化する必要がある。
本書では,これまでのものとは違うタイプのコーパスを構築することを提案するとともに,すでに構築されているコーパスを使いながら新しいタイプの研究を行った例を示す。今後のコーパス構築やコーパスを活用した研究に刺激を与えたいからである。

Ideophones, Mimetics and Expressives

書影

秋田 喜美プラシャント・パルデシ (編)
窪薗 晴夫,他 (著)

John Benjamins Publishing Company (詳細ページ),2019年5月,ISBN 9789027203113

This volume explores new frontiers in the linguistic study of iconic lexemes known as ideophones, mimetics, and expressives. A large part of the literature on this long-neglected word class has been dedicated to the description of its sound symbolism, marked morphophonology, and grammatical status in individual languages. Drawing on data from Asian (especially Japanese), African, American, and European languages, the twelve chapters in this volume aim to establish common grounds for theoretical and crosslinguistic discussions of the phonology, morphology, syntax, semantics, pragmatics, acquisition, and variation of iconic lexemes. Not only researchers who are interested in linguistic iconicity but also theoretical linguists and typologists will benefit from the updated insights presented in each study.

明解方言学辞典

書影

木部 暢子 (編)
青井 隼人 (編集協力者),大西 拓一郎木部 暢子中川 奈津子新永 悠人山田 真寛 (編集協力者),鑓水 兼貴,他 (分担執筆)

三省堂 (詳細ページ),2019年4月20日,ISBN 9784385135793

本辞典は,各地域のことば (方言) を調査・研究するときに知っておきたい概念や用語,必要な事項をできるだけ分かりやすく解説したものです。これまで,各地の方言を集めた,いわゆる方言語彙集やフィールドワークの方法を解説した書籍はいくつかありましたが,方言学に特化したコンパクトな辞典はありませんでした。
(中略)
本辞典は,すでに刊行されている『明解言語学辞典』を参考にしています。大きさがハンディーで,フィールドワークに持っていくのにちょうどいいこと,見出しがすべてページの上に来ていて,引きやすくなっていること,各項目の記述が半頁から2頁の間でコンパクトにまとめられていることといった体裁上の特徴もさることながら,最も参考にしたのは,「近年急速に研究が進んだ分野の新しい概念も多く取り入れられ」ている点です (『明解言語学辞典』「はしがき」より)。方言の分野でいうと,近年の琉球諸方言の研究成果には目を見張るものがあります。本辞典では,これらを積極的に取り入れました。
(中略)
本辞典が各地のフィールドワークで使われることを願っています。