むつフィールドワーク

フィールドワークの概要

国立国語研究所「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」プロジェクトと人間文化研究機構 広領域連携型プロジェクト「方言の記録と継承による地域文化の再構築」では,2018年8月29日から9月1日に青森県むつ市で調査を行います。

国立国語研究所では,消滅の危機に瀕した言語・方言の記録を作成するために,これまでも鹿児島県喜界島,同与論島,沖縄県久米島,東京都八丈島などでフィールドワークを行ってきました。2014年度からは日本本土方言の調査を進めており,2014年度は島根県出雲市,2015年度・2016年度は隠岐の島町,そして2017年度は愛知県一宮市 (旧木曽川町) で調査を行っています。

本調査は地元青森県の大学,弘前大学との教育上の連携事業でもあります。調査に先立ち,同大学で事前研修を行いました。事前研修に参加した学生の中から数名を本調査に帯同する予定です。

弘前大学人文社会科学部との連携授業

国立国語研究所「日本の消滅危機言語・方言」プロジェクトと人間文化研究機構 広領域連携型プロジェクト「方言の記録と継承による地域文化の再構築」では,東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所のLingDy3プロジェクトと共同で,2018年5月28日 (月) と6月4日 (月) に弘前大学で連携授業「地域文化振興実習」を行いました。

この授業は,弘前大学 人文社会科学部 文化創生課程 文化資源学コースで開講されている「文化の魅力を発見し,発信することが出来る人材や地域の文化振興に貢献する人材を育成する」ことを目的とする授業の一つで,2018年8月に実施するむつ市方言調査の事前研修も兼ねています。コースの詳細については,以下のサイトを参照してください。

事前研修プログラム

受講生は11名,講師は5月28日が品川大輔 (東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授),青井隼人 (同 特任研究員 / 国立国語研究所 特任助教),6月4日が木部暢子 (国立国語研究所 教授) で,次のような授業を行いました。

5月28日 1限目 (8:40~10:10)

品川 大輔 (東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授)

  • 言語調査の実際
    • 少数言語とは
    • なぜ調査するのか : 言語多様性の価値
    • 言語調査の実際 : キリマンジャロの調査から
    • 日本の言語の多様性

5月28日 2限目 (10:20~11:50)

青井 隼人 (東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 特任研究員 / 国立国語研究所 特任助教)

  • 言語 (音声) 学的調査の方法論
    • 録音技法
    • 聞き取りと書き取りのポイント
    • 音響分析の有効性
    • 音素分析の初歩

6月4日 1限目 (8:40~10:10)

木部 暢子 (国立国語研究所 教授)

  • 調査の事前準備について
    • 教育委員会等への調査依頼
    • 事前説明文章 (インフォームドコンセント)
    • フェイスシート
    • 個人情報の取り扱い,等々

6月4日 2限目 (10:20~11:50)

  • 東北方言の音韻・音声の特徴とその書き起こし方法について

事前研修の様子

授業風景

展示風景

連携授業にあわせて,人間文化研究機構「可視化・高度化事業」で制作したモバイル型展示ユニットを弘前大学図書館に展示しました。授業のあと,図書館へ行き,方言の展示ブースを見学しました。