発達障害児の聞き取りの困難さの要因を探る実証研究

プロジェクトリーダー
藤野 博 (東京学芸大学)

概要

知的発達に遅れがなく言語を獲得できる自閉スペクトラム症 (ASD) や注意欠如・多動症 (ADHD) の子どもの中には,文章レベルの聞き取りが困難な者が少なからず存在する。しかしこれまで国内では発達障害児の聞き取りの困難さにつながる認知特性に関する研究は非常に少なく,体系的な実証研究はほぼ皆無といえる。そこで本研究は,知的に遅れのない発達障害児を対象とし,音韻知覚の特異性が語や文の理解のつまずきや,授業などでの学年相応の聞き取りの困難さの要因となるかどうかを検証する。具体的には, (1) 発達障害児の音韻知覚の特性を多角的に検証するとともに, (2) 語や文の構造理解の特徴と,文章・段落レベルの「聞き取り」の力を縦断的に検討する。そして最終的に (1) と (2) の結果を総合して,「聞き取り」の困難の要因を探る。さらに,その結果を国際基準による言語検査の開発および子どもの認知特性に合った支援法の提案につなげることを目標とする。