「述語の意味文法」共同研究発表会
- 開催期日
- 2022年4月23日 (土) 10:30~12:00
- 開催場所
- Web開催 (Zoom)
- 主催
- 国立国語研究所 共同研究プロジェクト 「述語の意味と文法に関する実証的類型論」
- 参加申し込み
登録は締め切りました。お申し込みありがとうございました。
- いただいた個人情報は、個人情報保護ポリシーに則り厳正に取り扱います。
- 定員
- なし
- キーワード
- 研究発表会・シンポジウム、オンライン開催、現代日本語、語彙・意味、文法
プログラム
- 10:30~12:00
- 「複雑述語から見た事象統合の条件と類像性対頻度の論争 : 動詞関連事象に基づく実証研究」
- 陳 奕廷 (東京農工大学)
- 複数の事象を1つに統合する「事象統合」は、言語や認知において重要な役割をもつ。しかし、言語における事象統合がどのような条件で可能なのか、また、言語形式の違いが事象統合にどう影響するのかは、未だ不明である。本発表では、複合動詞 (例 : 「探し回る」) と複合動名詞+「する」 (例 : 「立ち読みする」) という異なる形式の複雑述語に対し、「関連事象アプローチ」の観点から検討する。具体的には、「VとV」や「VためにV」などの表現を「国語研ウェブコーパス」で検索し、動詞の原因と目的という関連事象を収集する。それによって、複合動名詞+「する」は同時性だけで成立するが、 複合動詞は同時性だけでは成立せず、直接または間接の因果関係が必要であることを示す。さらに、概念的により緊密な事象 (因果関係+同時性) は、そうでない事象 (同時性のみ) よりも形式的に緊密な形で表現される傾向があり、頻度ではそれを説明できないことを示すことで、「類像性対頻度」の論争に重要な示唆を与える。