「述語の意味文法」共同研究発表会
- 開催期日
- 2022年7月2日 (土) 13:30~14:45
- 開催場所
- Web開催 (Zoom)
- 主催
- 国立国語研究所 共同研究プロジェクト 「述語の意味と文法に関する実証的類型論」
- 参加申し込み
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- 定員
- なし
- キーワード
- 研究発表会・シンポジウム、オンライン開催、現代日本語、語彙・意味、対照研究
プログラム
- 13:30~14:45
- 「状態変化表現の類型論と日本語 : コーパス頻度からの考察」
- 松本 曜、氏家 啓吾
言語における空間移動と状態変化の表現の並行性については以前から指摘されてきた (Gruber 1965、Jackendoff 1983、Goldberg 1995、Talmy 2000、小野 2004、岩田 2010など)。しかし、その並行性に関する体系的な研究、通言語的な研究、量的な研究はあまり行われてこなかった。
並行性について考察する際に考察すべきことは、移動表現について提案されている類型論 (Talmy 2000、Matsumoto 2020など) が、状態変化にも当てはまるかどうかである (小野 2004、Kawachi 2016、Ito 2016)。本発表では、12種類の状態変化について、その日本語における表現を BCCWJ において検索し、文のどの位置で状態変化が表現されているかを考察するものである。その中で、1) 状態変化の種類、2) 主体変化と客体変化の区別、3) 共イベント (状態変化の原因様態と状態変化使役の手段) の有無、4) 変化主体の有生性の要因によって、どのように状態変化の表現位置が変異するかを考察する。総合的に言えば日本語では状態変化は主動詞の位置で表されることが多いものの、上記の要因による変異が見られることを指摘する。