第四回プロトジャポニック研究発表会

開催期日
2023年2月23日 (木) 17:00~18:00
開催場所
Web開催 (Zoom)
主催
国立国語研究所 共同研究プロジェクト 「実証的な理論・対照言語学の推進」
・サブプロジェクト「日本・琉球語諸方言におけるイントネーションの多様性解明のための実証的研究」
参加
参加無料・事前登録なし
問い合わせ
セリック・ケナン
E-mail : kcelik[at]ninjal.ac.jp[at]を@に置き換えてください。
キーワード
研究発表会・シンポジウム、オンライン開催、現代日本語、日本語史、方言、琉球諸語、音声・音韻、日琉祖語、日本祖語、琉球祖語、歴史比較言語学、アクセント

趣旨

共同研究プロジェクト「日本・琉球語諸方言におけるイントネーションの多様性解明のための実証的研究」 (代表 : 五十嵐 陽介) の下で、日琉諸語の歴史比較言語学に特化した研究発表会を定期的に開催します。

プログラム

  • 研究発表 (30分)
    「日琉祖語四声仮説 : 最少の声調と最少の音変化でアクセント体系の多様性を説明するために」
  • 五十嵐 陽介 (国立国語研究所)
  • 日琉祖語のアクセント体系を再建する従来の研究には、1) 祖語に再建される類が多すぎる、2) 同一の連鎖推移が並行的に何回も生じたと仮定するという問題がある。本研究は、日琉祖語は4種類の基底声調を持つとする「日琉祖語四声仮説」を提案する。基底声調は H 類、HL 類、L 類、LH 類の4種であり、声調付与の領域は語である。各基底声調を構成するトーン (H、HL、L、LH) の連結する音節は基底声調と語形成を参照する音韻規則によって決定されるので、日琉祖語は基底レベルで「位置の対立」を欠く「語声調」言語である。日琉諸語の比較からは4を大幅に超える類が再建されてきた。本仮説はそれらの類を、複合形式に適用される音韻規則により派生された表層型に由来するとみなし、類の増加は、音韻規則の生産性の消失および複合形式の語彙化による tonogenesis の結果と主張する。本研究はさらに、「日琉祖語四声仮説」が、現代の日琉諸語のアクセント体系の多様性を説明するために仮定される音変化の回数が、先行研究と比較して大幅に少ないことを示す。
  • 質疑応答・全体討論 (30分※)
    • 議論の状況によっては延長することもあります。
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