第142回 NINJALコロキウム
「「やさしいことば」の日独比較 ―言語管理過程の観点から」
- 開催期日
- 2024年3月5日 (火) 15:10〜17:10
- 開催場所
- 対面とオンラインのどちらでも参加できる、ハイブリッド形式で開催
- 国立国語研究所 多目的室 (東京都立川市緑町10-2) 交通案内
- オンライン (Web会議サービスの「Zoom」を使用)
- 講師
- 木村 護郎クリストフ (上智大学 教授)
- 専門領域
- 社会言語学、言語政策
- 主要業績
- 『異言語間コミュニケーションの方法―媒介言語をめぐる議論と実際』大修館書店、2021年
- 「社会言語学に「言語」は必要か— ポストモダン言語論を問いなおす —」『社会言語学』第21号、2021年、1-18ページ
- 「日本社会を開く妨げとしての英語偏重」村田和代編『越境者との共存にむけて』ひつじ書房、2022年、153-178ページ
- 講演主旨
- 近年、様々な言語で「やさしいことば」をめぐる動きがみられる。しかしその内実は国や言語によって大きく異なる。この講演では、なかでもドイツのLeichte Sprache (やさしいことば) に注目して、日本との比較を試みることで、「やさしいことば」をめぐる議論を先に進める一助としたい。日本語とドイツ語を比較する意義としては、両言語の話し手の数が類似すること以上に、その使用地域が類似する課題を抱えていることがあげられる。日本でもドイツでも近代化の過程で、言語的に均質な国民国家をめざす歩みがみられたが、近年は、少子高齢化に伴う移民受け入れの必要性が議論されるなど、社会の多様性と向き合うことが改めて課題となっている。「やさしいことば」への注目の高まりは、均質な国民を対象とする単一の標準語の限界が認識されるようになったことの一つの現れと考えられる。両国における「やさしいことば」の展開を言語管理の過程としてみることによって、日本とドイツがこの問題にきわめて対照的な向き合い方をしていることが明らかになる。ドイツの事例が日本での議論にとって参考になると考えられる点をいくつかあげたうえで、今後の課題にも言及したい。
- 参加申し込み
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- 講演会、オンライン開催、NINJALコロキウム、現代日本語、日本語教育、文章・文体、会話・談話、対照研究
NINJALコロキウムとは
国内外の優れた研究者を講師にお招きし、日本語・言語学・日本語教育のさまざまな分野について最前線の研究成果をお話しいただく講演会です。一般に公開していますので、教員・大学院生を問わず、ご自由にご参加ください。 (参加無料)
スケジュール : 不定期。原則として、1ヶ月1回。
事前の参加申し込みが必要ですので、ご注意ください。