プロジェクト合同研究会
「学習者用「日本語機能語バンク」の構築」
及び
「学習者のニーズを反映した大規模な動詞用法データベースとオンライン教材の開発と公開」
- 開催期日
- 2024年6月22日 (土) 13:00~15:00
- 開催場所
- Web開催
- 主催
- 共同プロジェクト「多様な語彙資源を統合した研究活用基盤の共創」
・サブプロジェクト「学習者用「日本語機能語バンク」の構築」 - 科研費 基盤研究 (B) 22H00672 「学習者のニーズを反映した大規模な動詞用法データベースとオンライン教材の開発と公開」
- 共同プロジェクト「多様な語彙資源を統合した研究活用基盤の共創」
- 参加申し込み
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- 研究発表会・シンポジウム、講演会、オンライン開催
プログラム
- 「日本語自他動詞・格助詞の教育・学習に役立つオンラインデータベースの構築にむけて」
- プラシャント・パルデシ (国立国語研究所)
- 日本語は世界の多くの言語と比較して動詞の自他対が多いことが知られている。また、自他対間の形態的な関係や他動詞の主語と目的語を表示する格のパターン (格枠組み) も多様である。さらに、多くの基本動詞が多義語で語義によって格の枠組みが異なる。加えて、動詞の必須項と付加詞を表示する「格助詞」の多くが多義である。そのため、日本語学習者にとって、自他動詞の区別及び格助詞の使い方を習得することはかなり難しい。逆に、日本語教師にとって、自他動詞の区別、格助詞の使い方を適切に教えることは難しい。この問題の解決の一試案として国立国語研究所主催の共同研究プロジェクト「学習者用「日本語機能語バンク」の構築」 (基幹型プロジェクト「多様な語彙資源を統合した研究活用基盤の共創」傘下のサブプロジェクト) および科研基盤研究 (B) (課題番号 : 22H00672)「学習者のニーズを反映した大規模な動詞用法データベースとオンライン教材の開発と公開」において、日本語の自他動詞および格助詞の教育・学習に役立つオンラインデータベース (「日本語格助詞データベース」) の開発が進められている。本発表では「日本語格助詞データベース」構築の取り組みを紹介する。
- 「「日本語格助詞データベース」の語釈および用例執筆の中間報告と今後の課題」
- 尾沼 玄也 (拓殖大学)
- 「日本語機能語バンク」開発プロジェクトでは、取り組みの一つとして日本語学習者に約1,200語の和語動詞の語義と用例を示し、格助詞のパターンを示す「日本語格助詞データベース」を構築中である。本発表では、現役日本語教師10名ほどがチームを組み、2023年度末までに執筆した368見出し語 (1338語義) の語釈と用例の執筆作業について、執筆した語釈と用例を具体的に取り上げて振り返り、今後の課題を述べる。
- 「「日本語格助詞データベース」における意味役割の設定とその課題について」
- 岸本 秀樹 (神戸大学)
- 本発表では、近日公開予定の「日本語格助詞データベース」 (通称「てにをはバンク」) において、その中心となる意味役割がどのような経緯で策定されたかについて報告する。その上で、アノテーションの作業の現況と今後検討すべき課題について議論する。
- 「日本語学習者の書き言葉における格助詞混同の実態調査 ―「日本語学習者作文コーパス」に基づく分析 ―」
- 堀内 仁 (国際教養大学)
- 本調査は、日本語学習者の書き言葉に見られる格助詞の誤用のうち、「混同 (あるいは誤選択) 」のタイプのものに関して、「日本語学習者作文コーパス」を用いてその実態を把握することを目的とする。可能な混同のうち、実際に見られるものは何か、どの混同が特に多く現れるのか、各混同について習熟度レベル毎にどのような違いが見られるか等精査し、日本語教育における格助詞の指導で特に留意すべき混同の種類や発達過程を明らかにする。