日本語言語科学特別講義 / 第150回 NINJALコロキウム
「危機言語の維持・再生と公共的使用の諸問題」
- 開催期日
- 2025年3月4日 (火) 15:10~16:40
- 開催場所
- 対面とオンラインのどちらでも参加できる、ハイブリッド形式で開催
- 国立国語研究所 (東京都立川市緑町10-2) 交通案内
- オンライン (Web会議サービスの「Zoom」を使用)
- 参加申し込み
- 参加を希望される方は、2月28日 (金) 正午までに、事前登録フォームにてお申し込みください。
対面でお申し込みいただいた方には、後日、所内に入るための手続きをご案内します。 オンラインにてお申し込みいただいた方には、後日、参加に必要なミーティング情報をご案内します。 いずれの場合にもメールでのご連絡となりますので、メールアドレスにお間違いがないか、必ずご確認くださいますようお願い申し上げます。また、参加に必要な情報が記載されたメールが、お使いのメールソフトの機能により、自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう場合がございますので、ご注意ください。 いただいた個人情報は、個人情報保護ポリシーに則り厳正に取り扱います。 - 定員
- オンライン : 300名 (先着順)
対面 : 50名 (先着順) - 講師
- 田窪 行則 (国立国語研究所 名誉教授 兼 客員教授 / 京都大学 名誉教授)
- 専門領域
- 言語学
- 主要業績
- 『日本語の構造-推論と知識管理』 2010 くろしお出版
- Handbook of Japanese Semantics and Pragmatics. Wesley M. Jacobsen and Yukinori Takubo. eds. 2020. Berlin/ Boston: De Gruyter Mouton.
- The Theory and Practice of Language Faculty Science. Hoji, Hajime, Daniel Plesniak and Yukinori Takubo (eds). 2022. Berlin/ Boston: De Gruyter Mouton.
- 『南琉球宮古語池間方言辞典-西原地区版』改訂増補版 (仲間博之、田窪行則、岩崎勝一、五十嵐陽介、ダニエル・ワイマーク、中川奈津子編著) 2024 国立国語研究所言語変異領域
- 『基礎日本語文法 第3版』2024 (益岡隆志・田窪行則) くろしお出版
- 講演要旨
言語はその使用領域が限定されてくると危機度が増す。通常、危機言語・危機方言は家庭や親しい友人との間に使用が制限され、学校やその他公共的使用が共通語など、流通範囲の広い言語と置き換わっていき、二重言語使用の過程を経て、言語が置き換わり、消滅していく。この方向を逆転させるためには、危機言語の維持・再生では使用領域を広げていく必要が生じる。
しかし、当該危機言語の公共的使用を進めるにはいくつかの問題が生じる。家庭や親しい友人間での言語使用を公共的場面に広げる場合いくつか地域的差異を克服する必要が生じる。これが微視的な差異でコミュニケーションに問題が生じない場合は大きな困難は生じないかもしれないが、場合によっては言語の標準化・平準化に伴い、諸地域変異の統合化やそれにともなう言語の消滅の可能性が開かれる可能性が生じる。つまり、言語再生のための行動が言語消滅を促進するというという本末転倒ともいえる状況が生じる。
この講義では危機言語の維持・再生のためにその公共的な使用に拡張する際の問題点を論じる。
- キーワード
- 講演会、オンライン開催、NINJALコロキウム、危機言語
日本語言語科学特別講義とは
総合研究大学院大学 日本語言語科学コースの開設を記念し、国内外の優れた研究者から日本語学・言語学・言語処理・日本語教育のさまざまな分野について、最前線の研究成果をお話しいただきます。NINJALコロキウムとは
国内外の優れた研究者を講師にお招きし、日本語・言語学・日本語教育のさまざまな分野について最前線の研究成果をお話しいただく講演会です。一般に公開していますので、教員・大学院生を問わず、ご自由にご参加ください。 (参加無料)
NINJALコロキウムの開催スケジュール : 不定期。原則として、1ヶ月1回。
事前の参加申し込みが必要ですので、ご注意ください。