著書紹介

最近の研究成果の出版物や,国語研究所の所員が執筆・編集した主な出版物をご紹介します。

太字 : 発行時の在籍者

一般言語学から見た日本語のプロソディー

書影

窪薗 晴夫 (著)

くろしお出版 (詳細ページ),2021年3月17日,ISBN 9784874248546

日本語のアクセントとイントネーションについて,筆者の母方言である鹿児島方言,およびその近隣方言や東京方言などの調査研究をもとに一般言語学・言語類型論の視点から分析する。筆者のこれまでの研究の集大成となる一冊。

「序章 本書の概要」より
本書は日本語のアクセントとイントネーションを,鹿児島方言およびその近隣方言と東京方言の調査研究をもとに,一般言語学と対照言語学の視点から分析したものである。アクセントとイントネーションはともに音の高さ (ピッチ) が作り出す音声現象であるが,語の特性 (アクセント) か,句や文の特性 (イントネーション) かという違いを持つ。本書は計4つの章からなり,最初の3つの章では主にアクセントを,最後の第4章ではイントネーションを考察する。
いずれの章も過去20余年間に日本語で書いた論考,英語で書いた論考,そして今回新たに書き下ろした原稿の3つがもとになっている (前2者については文献欄を参照されたい)。日本語や英語で発表していた論考についても,今回データと分析を再検討し,また最近の研究動向を踏まえて少なからず改稿を行った。また open data science の一歩として今後の検証が可能になるように,調査に用いた語彙・例文を章末の補遺に記載し公開することにした。

Verb-Verb Complexes in Asian Languages

書影

影山 太郎,Peter E. Hook, プラシャント・パルデシ (編)

Oxford University Press (詳細ページ),2021年2月25日,ISBN 9780198759508

This volume is the first to present a detailed survey of the systems of verb-verb complexes in Asian languages from both a synchronic and diachronic perspective. Many Asian languages share, to a greater or lesser extent, a unique class of compound verbs consisting of a main verb and a quasi-auxiliary verb known as a 'vector' or 'explicator'. These quasi-auxiliary verbs exhibit unique grammatical behaviour that suggests that they have an intermediate status between full lexical verbs and wholly reduced auxiliaries. They are also semantically unique, in that when they are combined with main verbs, they can convey a rich variety of functional meanings beyond the traditional notions of tense, aspect, and modality, such as manner and intensity of action, benefaction for speaker or hearer, and polite or derogatory styles in speech. In this book, leading specialists in a range of Asian languages offer an in-depth analysis of the long-standing questions relating to the diachrony and geographical distribution of verb-verb complexes. The findings have implications for the general understanding of the grammaticalization of verb categories, complex predicate formation, aktionsart and event semantics, the morphology-syntax-semantics interface, areal linguistics, and typology.

日本語研究と言語理論から見た言語類型論

書影

窪薗 晴夫野田 尚史プラシャント・パルデシ松本 曜 (編)
窪薗 晴夫五十嵐 陽介野田 尚史井戸 美里プラシャント・パルデシ松本 曜窪田 悠介,他 (著)

開拓社 (詳細ページ),2021年2月22日,ISBN 9784758922982

本書は,個別言語としての日本語の研究と一般言語学・言語類型論との架け橋を目指して,言語の類型を日本語と言語理論の視点から考察したものである。
第I部では言語類型の中に日本語を位置づけながら,日本語から見た言語類型論の諸問題を考察している。第II部では最適性理論,生成文法,計算言語学,認知言語学という4つの異なる言語理論を解説しながら,それぞれの言語理論が言語類型をどのように捉えているかを論じた。

Information structure in spoken Japanese: Particles, word order, and intonation

書影

中川 奈津子 (著)

Language Science Press (詳細ページ),2020年12月28日,ISBN 9783961101399

This study explores information structure (IS) within the framework of corpus linguistics and functional linguistics. As a case study, it investigates IS phenomena in spoken Japanese: particles including so-called topic particles, case particles, and zero particles; word order; and intonation. The study discusses how these phenomena are related to cognitive and communicative mechanisms of humans.

顕在化する多言語社会日本 多言語状況の的確な把握と理解のために

書影

福永 由佳 (編)

三元社 (詳細ページ),2020年12月20日,ISBN 9784883035212

「日常の多言語化」現象
多言語状況はたんに記述されるためにあるわけではない。本書では,日本社会の過去・現在の現象や制度に埋め込まれている意識やイデオロギーの内実を注視し,いかなる多言語社会を目指すのかを考察する。

成人教育 (adult education) としての日本語教育 : 在日パキスタン人コミュニティの言語使用・言語学習のリアリティから考える

書影

福永 由佳 (著)

ココ出版 (詳細ページ),2020年10月31日,ISBN 9784866760247

在日外国人コミュニティにおいては,どのようにことばが使用され,学習されているのか。本書では,日本人家族を含む在日パキスタン人コミュニティに焦点を当て,その問いに量的・質的の両面からアプローチする。社会的弱者,情報弱者として扱われがちな「生活者としての外国人」だが,実は彼らは積極的に社会参加し,様々な情報を多様な方略で得ている。日本社会に蔓延するステレオタイプや日本語教育に潜むパターナリズムに警鐘を鳴らし,日本人と外国人が共生できる新しい社会を作っていくための「成人教育 (adult education) としての日本語教育」を提言する好著。

Broader Perspectives on Motion Event Descriptions

書影

松本 曜,河内 一博 (編)

John Benjamins Publishing Company (詳細ページ),2020年8月,ISBN 9789027205667

Human languages exhibit fascinating commonalities and variations in the ways they describe motion events. In this volume, the contributors present their research results concerning motion event descriptions in the languages that they investigate. The volume features new proposals based on a broad range of data involving different kinds of motion events previously understudied, such as caused motion (e.g., kick a ball across) and even visual motion (e.g., look into a hole). Special attention is also paid to deixis, a hitherto neglected aspect of motion event descriptions. A wide range of languages is examined, including those spoken in Europe, Africa, and Asia. The results provide new insights into the patterns languages deploy to represent motion events. This volume will appeal to anyone interested in language universals and typology, as well as the relationship between language and thought.

リモートワークの日本語

書影

石黒 圭 (著)

小学館 (詳細ページ),2020年7月30日,ISBN 9784098253784

リモートワークで悩まない56の工夫
2020年春のコロナショックを機に,リモートワークが急加速しました。
「リモートワーク」という働き方は,オンライン仕事革命とでも呼べる,業務スタイルの大きな変革をもたらしたといえるでしょう。

多くの企業ではZoomをはじめとするWeb会議システムが導入され,私たちの仕事のスタイルは一変しました。
リモートワークではディスプレイを通したコミュニケーション (オンライン会議,メールでのやりとり) の機会が圧倒的に増加しました。
その結果,自由な意見交換がしにくくなり,相手に対する情報面の配慮と感情面の配慮に欠けがちになり,多くのトラブルが生じるようになりました。

本書で紹介する
◆Web会議システム活用のコツ26
◆読み手の心に適切に届く言葉選びのコツ30
は,リモートワーク時代に必須のコミュニケーション技術です。

この,最新ビジネスコミュニケーション術で
「理想のオンライン会議」「理想のビジネス文書」を,ぜひマスターしてください。

コーパスで学ぶ日本語学 日本語の語彙・表記

書影

小椋 秀樹 (編)
小椋 秀樹,冨士池 優美,宮内 佐夜香,金 愛蘭,柏野 和佳子 (著)

朝倉書店 (詳細ページ),2020年5月1日,ISBN 9784254516524

日本語における語の集まり (総体) である語彙と,和語・漢語・外来語などの表記の問題をコーパスを使って計量的に探究する方法をやさしく学ぶ。〔内容〕総説/語彙の量的構造/語形と意味/語種/和語・漢語の表記/外来語の表記/付録