機関拠点型基幹研究プロジェクト
開かれた言語資源による日本語の実証的・応用的研究
国語研では基幹研究プロジェクト「開かれた言語資源による日本語の実証的・応用的研究」の下ですべての共同研究プロジェクトを展開しています。過去に構築した研究資源を引き継いで、新たなコーパスや危機言語・方言アーカイブ等の言語資源を構築し、これらを核とした研究を実施します。全ての共同研究はオープンデータ・オープンサイエンスの思想を基調とし、開かれた環境のもとで国内外の共同研究員とともに日本語の実証的な研究活動を実施しています。
プロジェクトの目的
このプロジェクトは、今日の社会状況と学術の潮流を踏まえて国語研のミッションを推進するものです。国内外の大学・研究機関との組織的な連携により、個別の大学では収集困難な規模の多種多様な日本語資料を収集・蓄積し、電子的な言語資源として大学及び研究者コミュニティの共同利用に供するとともに、これを応用した研究により社会的要請に応えることを目指しています。
プロジェクトの成果は、国際出版を含む出版物、電子成果物としての言語資源、専門家向け及び一般向けの多様な催し等を通して国内外に発信します。構築される言語資源は、教育や辞書編纂への応用や、産学共同研究を含む産業界での利用を通して社会の中で活かされるようにします。言語に関わる社会的問題の解明や、消滅危機言語・方言の記録保存、再活性化活動を通した地域・社会への貢献も目的の一つです。こうしたプロジェクトの成果は、全国の大学における日本語学・言語学教育の機能強化や、日本語教師のリカレント教育にも活かしていきます。
そしてプロジェクトを推進する中で、新たな学術分野として学術的・社会的要請に応える「言語資源学」の創成を目指します。2023年度から参加を予定している総合研究大学院大学とも連携して、この分野で活躍する若手研究者の育成を行います。
プロジェクトの体制
この基幹研究プロジェクトは「語彙・辞書」「教育・発達」「理論・実験」「フィールド・社会調査」の4つを重点分野として、各分野を支える7つのプロジェクトと、外部の研究者をリーダーとする公募型共同研究プロジェクトから構成されます。各プロジェクトは分野間の連携・融合・統合を意識して協力しつつそれぞれの研究課題に取り組み、全体として一つの国語研の基幹研究を形作ります。国語研の言語資源開発センター・共同利用推進センターとも密接に連携しながら共同研究を展開します。
このプロジェクトは、人間文化研究機構における機関拠点型基幹研究プロジェクトの一つとして位置づけられ、機構が実施する他の基幹研究プロジェクトと連携しつつ実施されるものです。