商標言語の認識と法的判断基準の整合を目指した実証的研究 : 言語学と法学の融合
- プロジェクトリーダー
- 堀田 秀吾 (明治大学)
- 実施期間
- 2025年4月~
概要
本研究は、言語学者・法学者・法実務家の協働により、商標の諸問題を言語学の立場から包括的に扱う「商標言語学」の確立を目指すものである。これまでの法実務における類否判断、希釈化、普通名称化、枯渇などの問題は、審査官や裁判官の主観に依存し、一貫性や公平性を欠いていた。本研究では、形態論、意味論、音韻論、統語論、語用論、コーパス言語学といった多様な言語学の知見を統合し、商標に関わる言語現象に関する客観的な分析手法を開発する。また、反応潜時や事象関連電位等を用いた実証実験も通じて、商標の認知過程を評価する実証性の高い枠組を構築し、法的判断の公平性と予測可能性を向上させる提案を行う。この学際的アプローチは、実務界への商標判断に関するガイドラインや商標審査・裁判において鑑定書・意見書の提供を通じて、商標法の改善、国際的な基準設定への貢献を期待するものである。