方言の形成過程解明のための全国方言調査

略称方言分布
プロジェクトリーダー大西 拓一郎 (おおにし たくいちろう)
国立国語研究所 時空間変異研究系 教授
実施期間平成21年10月~平成28年3月
研究分野日本語学,方言学
キーワード言語地理学,方言分布,分布の形成,方言周圏論
プロジェクトのHP全国方言分布調査 (FPJD)・新日本言語地図 (NLJ)

概要

大きなサイズの画像を見る

本研究は,日本語の方言分布がどのようにしてできたのかを明らかにすることを目的に,全国の方言研究者が共同でデータを収集・共有しながら進めるものである。日本の方言学においては,言語の地域差を詳細に調査し地図に描く言語地理学的手法に基づく研究を50年以上前から本格的に開始した。国立国語研究所が『日本言語地図』『方言文法全国地図』という全国地図を刊行する一方,大学の研究室を中心に地域を対象とした詳細な地図が数多く作成されてきた。そこで把握される方言の分布を説明する基本原理は,中心から分布が広がると考える「方言周圏論」である。問題はその原理の検証が十分に行われてこなかった点にある。幸いにして日本には長期にわたる方言分布研究の蓄積があり,現在の分布を明らかにすることで時間を隔てた分布の変化が解明できると考えられる。具体データをもとに方言とその分布の変化の解明に挑戦する,世界にも例のないダイナミックな研究を目指す。

投稿をシェアする
note