コーパス日本語学の創成 プロジェクトの詳細
研究目的
日本語を対象としたコーパス言語学 (コーパス日本語学) は,『日本語話し言葉コーパス』,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』等の構築によって研究インフラが整いつつあるが,一連のコーパスを徹底的に解析して,コーパス日本語学ならではの研究成果を挙げることは今後に残された課題である。 本研究の目的は,各種コーパスを利用した定量的かつ実証的な日本語研究を幅広く推進して先進的な成果を得,それを学界に周知させることによって,日本の言語関連学界にコーパスを利用した研究を定着させることである。この点で本研究は科研費特定領域研究「日本語コーパス」の活動を戦略的に継承するものであり,一種の学会に相当する機能を提供することを目指している。
研究計画・方法
上記の目標を達成するためには広い領域にわたる多数の共同研究員を募る必要があるが,日本語研究の裾野は広大なので,すべての研究者がつねに一同に会して研究会を開催することは現実的でない。そこで,研究グループを3つにわけ,また研究会を2種に分けて開催する。
研究グループについては,当面「音声・対話研究グループ」,「語彙・文法・文体・表記研究グループ」,「歴史研究グループ」の3グループにわけて活動する。今後はさらに心理学,英語学,統計学などの領域からも共同研究員を迎えたいと考えている。
研究会は,一般に公開された共同研究成果発表会と非公開研究会の2種を開催することとする。公開研究成果発表会は年2回の開催とし,本共同研究のメンバーだけでなく,国立国語研究所で実施されているすべての言語資源関連プロジェクトの成果を発表する機会とする。公開成果発表会のうち1回は共同研究メンバー以外の研究者も研究発表することができる公開ワークショップとする。この公開成果発表会は予稿集も作成して,実際上の学会機能を実現する。一方,非公開研究会は研究グループごとに必要なだけ多数回開催し,実質的な議論の場として機能させる。
研究成果の発表方法としては,上記の公開研究成果発表会を含む内外の関連学会における口頭発表,論文投稿など,通常の成果発表手段を基礎とするが,それにくわえて,日本語コーパスの構築と分析を主題とした書籍類の刊行を予定している。これは特定領域研究「日本語コーパス」 (2006-2010) の成果を普及するために企画された講座の一部をなすものである。さらにコーパス検索手法についての公開チュートリアルを実施する予定もある。
共同研究員 (所属)
- 天野 成昭
(愛知淑徳大学) - 五十嵐 陽介
(一橋大学) - 石井 正彦
(大阪大学) - 石川 慎一郎
(神戸大学) - 井上 雅史
(山形大学) - 内山 清子
(湘南工科大学) - 荻野 綱男
(日本大学) - 小椋 秀樹
(立命館大学) - 菊池 英明
(早稲田大学) - 北原 真冬
(早稲田大学) - 北村 達也
(甲南大学) - 金 明哲
(同志社大学) - 小森 理
(統計数理研究所) - 近藤 眞理子
(早稲田大学) - 佐藤 理史
(名古屋大学) - 真田 治子
(立正大学) - 白勢 彩子
(東京学芸大学) - 杉本 武
(筑波大学) - Irena SRDANOVIČ
(リュブリャーナ大学) - 高崎 みどり
(お茶の水女子大学) - 高田 三枝子
(愛知学院大学) - 高松 亮
(埼玉大学) - 田嶋 圭一
(法政大学) - 田中 牧郎
(明治大学 / 国立国語研究所客員) - 田野村 忠温
(大阪大学) - 伝 康晴
(千葉大学) - 投野 由紀夫
(東京外国語大学) - 西川 賢哉
(理化学研究所脳科学総合研究センター) - 服部 匡
(同志社女子大学) - 馬場 俊臣
(北海道教育大学) - 馬場 康維
(統計数理研究所) - 本多 清志
(天津大学計算科学技術学院) - Andrew MARTIN
(理化学研究所脳科学総合研究センター) - 松井 知子
(統計数理研究所) - 丸山 直子
(東京女子大学) - 茂木 俊伸
(熊本大学) - 山川 仁子
(愛知淑徳大学) - 米山 聖子
(大東文化大学) - 李 在鎬
(筑波大学) - 淺原 正幸
(国立国語研究所) - 小木曽 智信
(国立国語研究所) - 柏野 和佳子
(国立国語研究所) - 小磯 花絵
(国立国語研究所) - 藤本 雅子
(国立国語研究所) - 丸山 岳彦
(国立国語研究所) - 山口 昌也
(国立国語研究所) - 山崎 誠
(国立国語研究所)