接触方言学による「言語変容類型論」の構築
略称 | : | 接触方言 |
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プロジェクトリーダー | : | 朝日 祥之 (あさひ よしゆき) 国立国語研究所 時空間変異研究系 准教授 |
実施期間 | : | 平成21年10月~平成24年9月 |
研究分野 | : | 社会言語学 |
キーワード | : | 言語変容,接触方言学,変異理論 |
プロジェクトのHP | : | https://www2.ninjal.ac.jp/past-projects/socioling/ |
概要
日本には,方言が数多く存在すると言われます。これまで,旧来の地域社会に根付いてきた方言が研究されてきました。それに対し,大阪や東京に代表される都市社会やニュータウン,北海道などの地域には,様々な地域からの人たちが居住しています。その多様化する社会では,旧来の地域社会とは異なる現象が観察されます。この地域での言語使用状況を明らかにするアプローチとして「接触方言学」を掲げます。
接触によって生じる現象は,さまざまに分類することが可能です。その分類を行うにあたって,社会構造 (例 : 都市社会,農村社会等) に着目します。その構造との関係を探るものが,「言語変容類型論」が目指すところです。一般に,言葉の接触が多い地域であるほど,言葉の仕組みが単純になるのに対し,言葉の接触が少ない地域であるほど,言葉の仕組みが複雑になると言われています。日本各地における言語状況から,これらの問題に迫っていきます。
このアプローチは,英語圏の方言接触研究で模索されているものです。本プロジェクトを通して,より普遍性の高いアプローチを構築することが最大の目標です。