このプロジェクトは平成24年9月で終了しました。今後の更新予定はありません。

日本語学習者用基本動詞用法ハンドブックの作成 プロジェクトの詳細

研究目的

本研究の学術的な目標は,関連分野の知見を結集し,「理想的な日本語基本動詞用法ハンドブックのプロトタイプ」の開発を目指すことである。また,応用的な目標は,当該プロトタイプに基づいて,世界の日本語学習者の体系的且つ効率的な学習に役立つ日・中,日・韓,日・英,日・マラーティー語版日本語基本動詞用法ハンドブックの作成を試みることである。所内の言語資源研究系との連携で KOTONOHAコーパスを最大限に活用し,コーパスから見えてくる頻度,コロケーション,文型などに関する知見の研究成果に反映させる。また,研究情報資料センターを通じて研究成果のデータベース化および公開を図り,日本語教育研究・情報センターを通じて世界の日本語教育現場への還元を図る。

また,本研究は言語資源系以外に日本語と外国語との対照研究の面において言語対照研究系,動詞意味論の観点から理論・構造研究系とも関わりを持つ。

研究計画・方法

本研究は多くの専門分野の研究者による共同作業を必要とするものである。現段階での共同研究員の数は58人である。

平成22年度において,共同研究員全員参加による全体研究発表会を1回 (2011年3月) に開催し,BCCWJコーパスを見出し執筆に利用できるために本プロジェクトで開発したツール―NINJAL-LagoWordProfiler の講習会を行った。

平成23年度の主な作業は以下の通りである。

  • 見出し執筆用 editor の完成
  • 寺村誤用データのデータベース化,属性に基づく検索可能なデータベースの構築と一般公開
  • コーパスを「読む」ツール (NINJAL-LagoWordProfiler) の機能追加を続行。最終的に日本語の研究に資するツールに。
  • BCCWJ + NINJAL-LagoWordProfiler を公開 (言語資源系との連携)
  • ネットデータコーパス (5億~10億語) + NINJAL-LagoWordProfiler を公開 (筑波大学と連携)
  • 二言語ハンドブックの実現に向けてのワークショップ (中国,韓国,インド,アメリカ)

以上の作業を通じて,本年度は,NINJAL-LagoWordProfiler という BCCWJコーパスを「読む」ツールおよび共同編集ツールであるエディタを駆使して,日本初のコーパス準拠の見出しのたたき台を完成させる。このたたき台を出発点にして,メンバー間で議論の上,見本となる見出しを確定する。今年度はこの見本に倣って,15語程度の見出し執筆を目指す。

前年度と同じく,作業の効率化を図るため,複数のサブグループを設け,サブグループの研究会を頻繁に行い,全体研究発表会でその研究成果を発表する。

  1. 理論言語学グループ
  2. 認知言語学グループ
  3. 日本語教育グループ (言語習得グループを含む)
  4. 対照言語学グループ
  5. コーパス言語学グループ

これらのグループが相互乗り入れするかたちで,年に数回研究会を開催する予定である。研究成果の発表に関して,国内外の主要学会においてシンポジウムなどを企画し,研究成果を発表する。また,研究成果の最終的な産物として日・中,日・韓,日・英,日・マラーティー語版日本語基本動詞用法ハンドブックのネット公開に向けて環境・体制を整え,準備を進める。

共同研究員 (所属)

平成24年9月時点の所属です。

  • 秋田 喜美(大阪大学)
  • Meena ASHIZAWA
    (フリーランス日本語教師)
  • 阿辺川 武(情報システム研究機構)
  • 李 相穆(九州大学)
  • 石川 慎一郎(神戸大学)
  • 石田 英明(大東文化大学)
  • 井上 優(麗澤大学)
  • 今井 新悟(筑波大学)
  • 于 康(関西学院大学)
  • 上原 聡(東北大学)
  • 大関 浩美(麗澤大学)
  • 大曽 美惠子(名古屋大学名誉教授)
  • 大堀 壽夫(東京大学)
  • 金 愛蘭(早稲田大学)
  • 金 廷珉(韓国・慶一大学)
  • 桐生 和幸(美作大学)
  • 小磯 千尋(大阪大学)
  • 古賀 裕章(慶應義塾大学)
  • 朱 京偉(北京外国語大学)
  • 白井 恭弘(ピッツバーグ大学)
  • 徐 一平(北京外国語大学)
  • 砂川 有里子(筑波大学)
  • 徐 尚揆(韓国 延世大学)
  • 曹 大峰(北京日本学研究センター)
  • 平 香織(神田外語大学)
  • 高橋 清子(神田外語大学)
  • 田中 茂範(慶應義塾大学)
  • Hari DAMLE
    (フリーランス日本語教師)
  • 鄭 聖汝(大阪大学)
  • 塚本 秀樹(愛媛大学)
  • Abhijit DESHPANDE
  • 名嶋 義直(東北大学)
  • 成山 重子(メルボルン大学)
  • 西岡 美樹(大阪大学)
  • 仁科 喜久子
    (東京工業大学名誉教授)
  • 西光 義弘(神戸大学名誉教授)
  • 藤井 聖子(東京大学)
  • Nissim BEDEKAR(EFLU大学)
  • 増田 恭子(ジョージア工科大学)
  • 眞野 美穂(鳴門教育大学)
  • 円山 拓子(北海道大学)
  • 南 雅彦
    (サンフランシスコ州立大学 / 国立国語研究所)
  • 籾山 洋介(名古屋大学)
  • 山泉 実(東京外国語大学)
  • 山崎 直樹(関西大学)
  • 幸松 英恵(東京外国語大学)
  • 吉成 祐子(岐阜大学)
  • 李 在鎬(筑波大学)
  • Salil VAIDYA
    (フリーランス日本語教師)
  • Vaishali VAIDYA
    (フリーランス日本語教師)
  • 影山 太郎(国立国語研究所)
  • 柏野 和佳子(国立国語研究所)
  • 迫田 久美子(国立国語研究所)
  • 野田 尚史(国立国語研究所)
  • Timothy J. VANCE
    (国立国語研究所)
  • 丸山 岳彦(国立国語研究所)
  • 山口 昌也(国立国語研究所)
  • 山崎 誠 (国立国語研究所)
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