古文教育に資する,コーパスを用いた教材の開発と学習指導法の研究

プロジェクトリーダー
河内 昭浩 (群馬大学)
実施期間
2016年10月~2019年9月

概要

研究目的

本研究は,「日本語歴史コーパス」を活用し,古典教育のための,新たな教材の開発と学習指導法の研究を行うことを目的とします。国語教育学では,主に語彙教育分野でコーパス活用の研究,実践が進められています。しかし,古典教育分野においての研究,実践はいまだ行われていません。本研究によって開発する学習教材や指導法は,古典教育に新たな地平を開くものと期待できます。

また次期学習指導要領において,高等学校国語の科目編成が大きく改訂されます。古典の学習は新たに創設される科目である「言語文化」「古典探究」で行われる見込みです。特に必修科目となる「言語文化」は,「上代から近現代につながる我が国の言語文化への理解を深める科目」であるとされています。これはまさに「通時コーパス」と理念を一にするものです。本研究は,これからの古典教育に大きく貢献できると考えられます。

研究計画・方法

本研究では,コーパスを活用した古典教材の開発と古典学習指導法の研究を行います。古典教材の開発としては,古典単語集,文法集及び古典辞書の設計を行うなど,コーパスの情報を生かした新たな教材の開発を試みます。また語彙や文法の情報を根拠とした,新たな古典教材となり得る作品や章段を選定します。またさらに,現場の教員や生徒が直接使用できる,簡易な古文検索ソフトの開発を試みます。

また学習指導法の研究としては,主に中学校・高等学校の,国語科教科書の古典教材における,コーパスを活用した読解指導法の提案を行います。

国語教育におけるコーパス活用研究として,すでに「現代日本語書き言葉均衡コーパス」を活用した多くの研究の成果があります。それらを,古典教育における「日本語歴史コーパス」活用の研究に生かしていきたいと考えています。

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