木曽川フィールドワーク
フィールドワークの概要
国立国語研究所「日本の消滅危機言語・方言」プロジェクトと人間文化研究機構広領域連携型プロジェクト「方言の記録と継承による地域文化の再構築」では,2017年8月28日・29日に愛知県一宮市 (旧木曽川町) で調査をおこないました。
国立国語研究所では,消滅の危機に瀕した言語・方言の記録を作成するために,これまでも鹿児島県喜界島,同与論島,沖縄県久米島,東京都八丈島などでフィールドワークをおこなってきました。2014年度からは日本本土方言の調査を進めており,2014年度は出雲,2015年度・2016年度は隠岐の島方言の調査をおこないました。
昨年度の隠岐の島調査に引き続き,今回の調査でも若手研究者育成と地元の大学との教育上の連携をおこないました。まず,今後の方言研究を担うフィールドワーカーを公募し,選考を経た4名の大学院生を調査に帯同しました。また,地元愛知県立大学の学生9名も参加しました。調査の経験がない学生が大半であったため,言語調査に関する事前研修もあわせておこないました。
事前研修
8月26日と27日,愛知県名古屋市において,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のLingDy3 (「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」) プロジェクトとの連携のもと,事前研修をおこないました。
事前研修プログラム
- 1日目 (13:30~17:00)
- 調査の概要 (調査の流れ,調査票の説明,調査説明書・同意書・フェイスシートの説明)
- 木曽川方言の概要 平子 達也 (駒澤大学)
- データ収集の技法 塩原 朝子 (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
- 録音実習 青井 隼人 (国立国語研究所 / 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
- 2日目 (10:00~15:30)
- 木曽川方言の聞き取り実習
事前研修の様子
フィールドワーク
8月28日・29日にフィールドワークをおこないました。両日合わせて計11名の方にご協力いただきました。
- 調査項目 : 基礎語彙,動詞活用,文法項目 (数,代名詞,指示詞,疑問詞,ヴォイス,テンス・アスペクト,待遇,形容表現,名詞述語,文タイプ)
調査結果は2018年度に公開する予定です。