言語の普遍性及び多様性を司る生得的制約 : 日本語獲得に基づく実証的研究

略称日本語獲得研究
プロジェクトリーダー村杉 恵子
南山大学 外国語学部 教授
実施期間平成22年11月~平成25年10月
研究分野日本語獲得
キーワード日本語獲得,統語理論,原理とパラメータ,極小主義,実証的研究

概要

大きなサイズの画像を見る

現代言語理論では,母語獲得は,生後取り込まれる言語経験と,ヒトに遺伝により生得的に与えられた言語獲得機構との相互作用により達成されると仮定されている。この言語獲得機構は,①全ての言語が満たすべき普遍的制約と,②可能な言語間変異を定める制約からなると考えられているが,これらの制約の存在に関する母語獲得からの検討は,これまで主に欧米の言語を対象とした研究に限られている。

本共同研究プロジェクトでは,詳細な記述に基づいた言語理論研究に立脚して日本語の獲得過程を分析することにより,これらの制約の存在に対する新たな視点からの検討を行う。具体的には,心理実験による実証的研究,および発話分析による記述的研究の両手法を用いて,日本語における格 (特に主格の誤用) ,複合名詞句の構造や自動詞・他動詞,使役などの (複合) 述部の構造,ならびに移動現象や削除現象に関する知識の獲得過程を明らかにし,日本語獲得から言語獲得理論へ,さらに言語理論への貢献を目指す。

投稿をシェアする
note