このプロジェクトは平成26年9月で終了しました。今後の更新予定はありません。
日本語を母語あるいは第二言語とする者による相互行為に関する総合的研究 プロジェクトの詳細
研究目的
人々の実際の会話には数多くの,発話の繰り返し,言いさし,言いよどみ,重なり,ポーズといった現象が見られる。こうした現象は,本来完全であるはずの発話が不完全な形で産出された際の「ノイズ」などではない。むしろこれらは,近年の相互行為,会話分析の研究が明らかにしているように,「参加者間の会話への参加が微妙に調整されながら組織されていること」を強い形で示している。本プロジェクトの一つの意義は,以上の視点に立ち,参加者がどのように他者と協働的に個々の相互行為に参加し,社会的実践を行っているのかを明らかにすることができる点にある。
さらに近年では,人々の相互行為を発話以外のリソースも含め捉えることの重要性も議論されている。「言語,非言語,人工物は,並列しお互いに意味を与え合いながら人間の行動をかたち作っている」 (C.Goodwin2000) という「マルチモダリティ」の分析視点である。本プロジェクト研究においても,文脈中の諸リソースがどのように母語話者および第二言語話者による相互行為の組織化に関わっているのかを日本語のデータをもとに明らかにする。
研究計画・方法
平成23年度には,以下の具体的な作業を行う。
- プロジェクトチームを正式に組織し,調査の目的と方法を確定する。
- 既存のデータの整理を行うとともに,新たなデータ収集計画を立てる。
収集するにあたっては,調査協力者,協力機関との交渉を行う。 - データ収集の許可が得られたものについては,ビデオカメラ等を使い収集を開始する。
- データの収集分析と並行して,関連する先行研究の調査を行う。
- 平成24年2月あるいは3月に国立国語研究所において第1回の研究発表会を実施し,各メンバーが発表を行うとともに,参加者との意見交換を行う。
共同研究員 (所属)
平成26年9月時点の所属です。
- 池田 佳子
(関西大学) - 岩田 夏穂
(大月短期大学) - 岡田 みさを
(北星学園大学) - 岡本 能里子
(東京国際大学) - 初鹿野 阿れ
(名古屋大学) - 服部 圭子
(近畿大学) - 平田 未季
(北海道大学) - 舩橋 瑞貴
(早稲田大学) - 水川 喜文
(北星学園大学) - 森本 郁代
(関西学院大学) - 山本 真理
(北海道大学) - 義永 美央子
(大阪大学) - 野田 尚史
(国立国語研究所)